コミュニティビジネスやソーシャルビジネスの動き
これからの自治体は「儲け」なければいけません。
これからの企業は「社会的価値」を創出しなければいけません。
そうした視点からの新しいビジネスの動きをまとめていきます。

■旬の社会起業家の集まり(2004年11月30日)
最近の学生たちは就職の呪縛から解き放たれだしています。
会社に入るか自分で起業するか、二つの選択肢を持ち初めています。
そうした若者たちの集まりに参加しました。
主催者やコムケア活動を手伝ってくれているノーマライゼーション・ネットの矢辺卓也さんです。
参加したのは、このホームページでも登場したことのある広瀬さん、富田さん、堂垣さん、平下さん。
それに私とは初対面の斎藤正俊さん(中央大学大学院交通研究室博士課程)です。
それぞれが構想している事業を発表し、それについて議論しようということだったのですが、
あまりに面白い構想ばかりなので、10時を過ぎても終わりそうにもなく、半分は次回に残してしまいました。

今日、議論された、私には初めてのプロジェクトは、斎藤さんの Cycle Communucation構想です。
ホームページができていますので、ぜひご覧下さい。
この活動のコアは二つあります。
自由に使える自転車(EcoRent)とco-fyというクーポン付きの地域情報誌です。co-fyはweb版もあります。
とてもよくできています。
Cycle Communucationは、一人ひとりが身近な地域に対する理解と愛着を深め、
環境・経済・地域と調和したライフスタイルを各々のペースで楽しむ豊かな社会の実現に貢献する事を目的にしています。
とても発展性のある構想です。何よりも地に足つけているのがいいです。

私も以前、書いた「クロバーシティ構想」の都市交通システムに自転車を組み込んだ事があります。
この都市構想は、私はとても気に入っていましたが、ある懸賞論文で入選しただけで、そこから発展させられませんでした。
いずれ、このホームページにも収録する予定です。
25年前のものですが、エネルギー問題も素朴な形で提案されています。

他の構想は、これまでも話は聞いているものであり、このホームページでも少し紹介していますが、
今日、改めて聞いていて、いずれにも強いつながりを感じました。
この会を発展させていくとともに、この会でなにかメッセージ型のフォーラムを開催できないかと思いました。
もうひとつのコムケア活動の母体になるかもしれません。
いやいあや、こうやって、夢を膨らませすぎて時間破産してしまい、
結局は何もできなかったのがこれまでの人生ですので、自重しなければいけません。
しかし、ちょっと心が動きそうです。いやはや。



■ローカル・ジャンクション21戦略会議
(2004年11月2日)
ローカル・ジャンクション21が経済産業省の助成を受けて、新しいコミュニティビジネス起こしに取り組んでいます。
今日は経済産業省や事務局の三菱総合研究所などとのミーティングがありました。
私もローカル・ジャンクション21の理事として参加しました。
このプロジェクトは、どうせやるなら中途半端にではなく、産業パラダイムを変えるくらいの姿勢で取り組んでほしいと考えているのですが、
それはローカル・ジャンクション21の今の体制では難しい話です。
しかし、そのための芽を創ることはできるはずです。
もう一人の理事の澁澤寿一さんも、ほぼ同じ姿勢なので、ローカル・ジャンクション21の浦嶋さんと朝田さんは大変です。

モノを売ってお金をもらうビジネスではなく、知恵を出し合って価値を創るビジネスが、これからは大切だと思っています。
その結果として、モノが動きお金が動くわけです。
そういうビジネスモデルが創出できるかどうか、少し心配しながら期待しています。
来年3月には発表できると思います。


■ ソーシャル・アントレプレナー養成講座スタート
(2004年10月14日)
昨年のソーシャルベンチャー講座が今年はソーシャル・アントレプレナー要請講座として、スタートしました。
東京都特別区職員研修所のプログラムです。
開講までにいろいろな事件続きでしたが、なんとかスタートです。
私はコーディネーターですが、極めてアバウトなコーディネーターなのです。
一応、開講式なので話をさせてもらいましたが、私の役割はなんとアジテーションだそうです。
「ソーシャル」と「アントレプレナー」について話しました。
要約すれば、ソーシャルとは人のつながりから考えることであり、アントレプレナーとは物語を創る事であるという話です。

この2つの言葉をあいまいにして、語っていては何も変わりません。

ソーシャル・アントレプレナーの方の話として、ケアセンターで有名なNPOやわらぎの石川治江さんをゲストでお呼びしました。
とても刺激的な話をしてくださいました。

この講座の参加者は今のところ7人しかいません。アドバイザーの人数の方が多いという豪華なプログラムです。
これからどうなりますか。
半分楽しみ、半分不安なプログラムです。

 


■社会起業家田辺大さんのインキュベーションハウス参加
(2004年9月29日)
自らも社会起業家として、社会起業家を支援する活動をしている田辺大さんが、
インキュベーションハウスにアソシエイツとして参加してくることになりました。
本郷のオフィスはいま、NPOやソーシャルアントレプレナーの溜まり場にしたいと思っています。
そして、できればみんなで維持費をシェアできる体制に持っていく計画です。

私自身は企業とNPOとのボーダーは消える方向にあると考えています。
ですから、そうした人たちの溜まり場をつくりたいのです。
できれば行政職員もいっしょにしたいと思っています。
そこで「風のまち」の東京オフィスにしても良いかなと思い出しています。
その資金をどうやって捻出するかが難しいですが、実現できれば面白いですね。
どなたか良い知恵はないでしょうか。
小さな自治体の東京事務所機能を委託してくれるところはないでしょうか。
月3万円でも5万円でもいいのですが。

ともかくそうしたコモンズオフィスを実現したいと思っています。
これから本格的に動き出す予定です。
協力してくれる人はいないでしょうか。

ところで、まだアソシエイツを募集していますので、ご関心のある方はぜひご参加ください


■ヨシ研究所所長の西川嘉廣さん
(2004年9月11日)
東近江環境保全ネットワーク代表幹事の丹波道明さんに近江八幡を案内してもらいました。
丹波さんとお会いするのは10数年ぶりです。
丹波さんは、前にも書きましたが、私が東レに入社した時の最初の上司です。

会社を辞められてから、介護の問題にも関られたそうですが、
介護保険などの制度が整ってきたので、環境分野へと活動を移し、
今はヨシや琵琶湖内湖の環境整備に取り組んでいます。
丹波さんは安土町にお住まいですが、
近くの西の湖のヨシは昔から琵琶湖水郷特産江州ヨシとして有名だったそうです。
琵琶湖には以前はたくさんの内湖がありましたが、今は面積が大幅に減っています。
西の湖は、残ったなかでの最大の内湖です。
そこが丹波さんたちの活動の場です。
昔は淡水性の真珠もとれたようですが、最近は原因不明で育たなくなっています。
原因不明が問題だと丹波さんたちは考えています。
水には私たちの生活や経済のすべてが象徴されていますから、
これはこの地域の環境問題にとってのシグナルといえるでしょう。

丹波さんたちの活動は多岐にわたり、しかもホリスティックです。
自治会の自立化や西の湖ブランドのヨシ商品開発など、わくわくするようなテーマがたくさんあります。
地方に仕事がないなどというのは、狭い経済主義にこりかたまった官僚や有識者の言葉でしかないことがよくわかります。

丹波さんが一緒に活動されているのが西川嘉廣さんです。
西川さんは、江戸時代から続く近江八幡の葭卸商「西川嘉右衛門商店」の17代当主です。
薬学博士で、国内外の大学での医学関係の研究教育活動の後、郷里に戻り、
自宅敷地内にヨシ研究所、ヨシ博物館を開設し、ヨシの活用普及に取り組んでいます。

丹波さんに、西川さんを紹介してもらいました。
西川さんは道を究めた洒脱な好々爺という感じでした。
女房や、その友人たちも同行したのですが、実に気さくにお話を聞かせてもらいました。
近著「ヨシの文化史」(サンライズ出版)をもらいました。読ませていただき、その博識ぶりに驚きました。

ヨシ研究所やヨシ博物館は、まだ西川家の土蔵を利用したものです。
あふれるばかりの資料やヨシ関連の品物が所狭しと並んでいます。
海外からも見学者が来るそうですが、これではちょっともったいないと思います。
他にもまだ、2つの蔵にたくさんの古文書が残っているそうです。
近江八幡市は大事な地域資源にまだ十分気づいていないようです。よくあることですが。
どなたかこれらを整理展示できる場づくりを支援する人はいないものでしょうか。
いつもこうした所を見せてもらうたびに、そう思います。
若い頃にもっとしっかりと稼いでおけばよかったです。はい。


■ ソーシャルアントレプレナー養成講座検討会
(2004年9月9日)
東京都特別区職員研修所のソーシャルアントレプレナー養成講座が10月から始まります。
今日は、そのサポーターたちのミーティングでした。
研修所の千葉さんの執念のプロジェクトですから、ちょっと気に食わないことがあっても応援しないわけにはいきません。

昨年は行政職員と企業人とのコラボレーションでしたが、今年は行政職員に絞り込んでの展開です。
新しい研修(この言い方が問題なのですが)モデルの開発も目指しています。
サポーターは多彩なメンバーです。

私は、ソーシャルアントレプレナーやソーシャルベンチャーと、これまでのただのアントレプレナーやベンチャーとの違いにこだわっています。そうしたこだわりのない、ソーシャルベンチャー論や社会起業家論が多すぎます。
昨年の開講式でも話したのですが、企業の事業も、みんな社会価値を創造し、社会性を高めようと努力しています。
社会性を意識しないアントレプレナーやビジネスはありえないのです。
そこをしっかりと整理しておかないと、単なる流行に終わってしまいます。
今のコミュニティビジネスはそうなりかねません。

私は三つの点を重視しています。
まずは理念です。組織起点の発想から個人起点の発想へのパラダイム転換です。
アントレプレナーの対概念は「エンプロイー」です。
組織に依存するかどうかです。
ちなみに、ここでいう個人はいうまでもなく、人と人とのつながりの中での表情のある個人です。
この当たりはこのホームページで何回も書いていますが、東京都の職員研修所の報告書にも少し書きました。

第2は要素です。
イノベーティブであること、サステイナブルであること、プロフィッタブルであること。この3点が重要です。

そして第3は意義です。
これは社会のセクター構造のリフレーミングです。
言い換えれば、新しいソーシャル・キャピタルづくりです。

一応、今日はそんなことを少しだけ話させてもらいました。最後は伝わらないだろうと思い、省略しましたが。
しかしまあ、参加した人が面白くなればいいのです。

今年は、もう一つ、この分野のプログラム開発をしたいと思っています。


■ソーシャルアントレプレナー養成講座
(2004年7月26日)
東京都特別区職員研修所の千葉優子さんがやってきました。
昨年のソーシャルベンチャー開発研修プログラムを発展させて、
今年はソーシャルアントレプレナー養成講座に取り組みたいというのです。
私の思いとはちょっと違うのですが、彼女の真剣さに全面的に協力することにしました。
私も少し頭を切り替えないといけません。

千葉さんは、このプログラムに確信を持っています。
自分が転勤になっても、残るようなプログラムにしておきたいと、かなり力が入っています。
果たしてアントレプレナーが講座などで養成されるのかどうか、不安ですが、
自治体職員のアントレプレナーマインドを喚起すれば、社会は大きく変わることは間違いありません。
実践的な楽しいものにしたいと思います。

■「問題解決型経済」から「問題発見型経済」へのパラダイム転換
(2004年7月14日)
今日は次々とひっきりなしの来客です。
それもどうもよくわからない相談が多いのです。
私の名刺に書かれている肩書きは、「コンセプトデザイナー」です。
見えない状況に道筋をつけることがミッションです。
そのためか、さまざまな人が来るのですが、問題が見えないためか、話し合いは結構疲れます。
しかも、現在の「社会常識」では、それらはビジネスにはなりません。
もちろん、私はそれを承知で相談に応じていますから、いいのですが、
これまでの体験からいえば、
その段階(つまり、ビジネスになる前の段階)が問題の当事者にとっては一番大切なのではないかと思います。
その部分がしっかり評価されずに、
技術的な対応が経済行為として重視されている現在の経済システムに、大きな問題を感じます。
たとえば、「医療」です。
医療で重要なのは、病名をつけて医学的に対処する前の入り口ではないかと思います。
かかりつけ医師の大切さが言われていますが、制度的にはそうなっていません。
「問題解決型経済」から「問題発見型経済」へと、経済システムのパラダイムを転換させていことが必要です。
そういう認識に基づいて、私の会社である株式会社コンセプトワークショップは動いているのですが、
そのせいか、業績は低調です。
コンセプトデザインにはなかなか対価がつきません。

話がそれましたが、今日の4番目の来客は、Factoryもも代表の梅木桂子さんです。
2回目の相談なのですが、やっと少し問題が見えてきました。
梅木さんは、女性の経済的自立を支援していくための情報メディアを創出したいと、仲間と取り組んでいるのですが、
さまざまなノウハウとネットワークを、どう編集していけばいいかが見えていないようです。
まさに、コンセプトデザインの問題です。
大きなスケルトンが定まらないうちに、個別のアイデアや方法が広がりすぎて、形式議論が先行してしまっているようです。
改めて、きちんとしたワークショップをやる必要があるようです。
彼女たちが取り組もうとしているプロジェクトのホームページは間もなくできるそうですので、またご案内します。

■ソーシャルアントレプレナー支援4人組の会合(2004年4月5日)
私の周りにいる、社会起業家支援活動に取り組む4人の若者たちの集まりがありました。
私は、それぞれと付き合わせてもらっていますし、
みんな知り合いで、しかもある研究会のメンバーなのですが、
この4人を集めたら、社会に新しい風を吹き込む起爆力が生まれるのではないかと思っていました。
そこで今度のコムケアフォーラムに、問題提起してもらうように誘ったのです。
とても面白い議論がありました。
4人とも少しずつ発想とスタイルが違うのです。
共通しているのは、社会ビジョンです。
全員が独身男性なのも共通点です。

4人は、これまでもこのホームページに登場しているメンバーです。
井上英之大川新人新谷大輔田辺大
全員、理論家にして実践者です。性格はかなり違います。
コラボレーション経営研究所の瀬谷重信さんも参加してくれました。
社会起業家を目指す矢部卓哉さんも参加です。
私は8時過ぎで別の集まりに参加のため退席しましたが、
彼らは11時過ぎまで議論したようです。

4月24日には、このチームが新しい活動の呼びかけをします。
楽しみです。
4月24日のコムケアフォーラムにみなさん参加しませんか。
ほかにも、5つの新しい呼びかけがあります。
詳しくはコムケアフォーラム2004東京のホームページを見てください。



■ ソーシャルベンチャー開発研修プログラムの再スタート
(2004年3月23日)
東京都特別区職員研修所のソーシャルベンチャー開発研修プログラムの第2幕です。
井上、新谷のお二人に加えて、
東レ経営研究所の渕野富士夫さん、
アサヒビールの樋田憲一さん、
川崎市職員研修所の町田智子さん
が集まって、ブレストをやりました。
というよりも、今回は関心を持った人たちの顔合わせ会です。

私のプロジェクト形成の姿勢は「共創」です。
一人でプロジェクトを構想するのは簡単ですし、楽しいですが、
それでは広がりが出てきませんし、推進が大変です。
でも、みんなでがやがやしながら、プロジェクトを創りあげていくのは、一度やってしまうと病みつきになります。
その過程が事実に面白いです。
自分では考えていなかったような方向に動き出すことがあるからです。

まだ全く見えませんが、面白くなりそうです。
今年も千葉さんが苦労しそうです。
しかし、きっと楽しい苦労になるでしょう。
これに関してはまた報告します。


■ ソーシャルアントレプレナー論議
(2004年3月17日)
ソーシャルベンチャーの支援に取り組む田辺大さんとソーシャルベンチャー論議をしました。
田辺さんは先週、米国でのソーシャルアントレプレナーのコンファレンスに参加していたのです。
いろいろと収穫があったようです。

最近、ソーシャルアントレプレナーやソーシャルベンチャー、あるいはコミュニティビジネスなどの動きが盛んですが、
新しい言葉を使うのであれば、そこにしっかりした新しい価値がなければいけません。

そこで、先日、田辺さんに会った時に、
社会的起業とは何か、これまでのコンサルティングと田辺さんのコンサルティングはどこが違うのかを質問したのです。
今日はその答を持ってきてくれました。
面白い、そして有意義な議論ができました。
こういう議論を、もっとするための場をつくることにしました。
井上英之さん大川新人さん新谷大輔さんに声をかけようと思います。
関心のある方はご参加下さい。


フォレスト経営コンサルティングの田辺大さん
(2004年3月1日)
ソーシャルベンチャーの経営支援をしている田辺さんとゆっくり話しました。
田辺さんはフェアトレードのコーヒーを持ってきてくれました。
私がフェアトレードの有機コーヒーの話を初めて聞いたのは、熊本の宮田さんからです。
コーヒーも飲ませてもらい、このホームページでも紹介させてもらいました

今回のコーヒーは有限会社のスローの商品です。
とても美味しいコーヒーです。
(有)
スローの話はぜひ田辺さんのホームページをお読みください。

ところで田辺さんは4月のNPO学会で「社会起業家はこうすれば持続可能な成長に移行できます」という発表をするそうです。
その発表用のパワーポイントのデータをホームページで公開しています。
参考になりますので、ご関心のある方はご覧ください。

■ ソーシャルベンチャー開発研修発表会(2004年3月2日)
半年活動してきたソーシャルベンチャー開発研修の発表会でした。
東京都特別区の職員に呼びかけたところ、100人を超える人たちが集まりました。
関心の高さがうかがえます。

3チームから、それぞれの成果が発表されました。
いずれもとてもよく考えられています。
もちろん半年間の短期間であり、それも研修としての活動ですから、
どちらかといえば、事業構想の段階ですが、
参加者の思いがいっぱい詰められた提案であることを実感しました。
しかも、すべてのチームが、これで終わりにするのではなく、
さらに発展させていきたいというのです。
うれしいことです。

発表に対して参加者からも多くの意見や質問が出されました。
これもうれしかったことです。

私はこのプログラムの、総合コーディネーター役でした。
ほとんど何もしないコーディネーターだったのですが、
みなさんのがんばりで、とてもいいものができたように思います。

最後に少しだけ話させてもらいました。

まずは今回の提案の意味です。
今回報告された事業につながるような活動は、すでに現場ではたくさん展開されているが、
それらはいずれも自然発生的なものであり、目先の問題解決的な取り組みであることが多い。
そういう活動に、企業や行政が、今回のようなビジョンを持って、
しっかりと関わっていくことがいま求められている。と言うようなことを話しました。

次に、ソーシャルベンチャーの要素について話しました。
私は3つの要素が大切だと思っています。
イノベーション、サステイナビリティ、プロフィタビリティです。
これに関しては、いつかきちんとした整理をして、どこかに書こうと思っています。
昨今のソーシャルベンチャーやコミュニティビジネス論には、いささかの違和感がありますので。

今回の体験を踏まえて、今年は本格的にプログラム開発に取り組む予定です。

■ ソーシャルベンチャーに取り組む井上英之さん
(2004年2月18日)
ソーシャルベンチャー支援に取り組む井上さんは、会うたびに刺激を与えてくれます。
その明るさにいつも元気をもらいます。
井上さんが取り組んでいる活動はETICなどのホームページに出てくる、STYLEプロジェクトをみてください。
とても素晴らしい活動です。
今回も、STYLEプロジェクトについて、熱く語ってくれました。

井上さんは、NPOやソーシャルベンチャー支援にとって、大切なことは、
「自由としばり」だといいます。
そして、それを明確にすることだというのです。
たしかにそうですね。
これは企業経営の真髄でもありますし、自治行政の本質でもあります。
どうも私は最近、この点をあいまいにしてきたように思います。

もう一つ指摘されたのは、
不安を持つことのマイナスです。
これも最近の私が陥っていたところです。

若者に会うと教えられることが多いです。
また少し元気が高まりました。

■ ソーシャルベンチャー開発研修プログラム(2004年2月13日)
東京都特別区職員研修所(長い名前です)のソーシャルベンチャー開発研修プログラムの発表会が近づいていますが、
そのまとめ方などに関して、各チームの代表と事務局のミーティングがありました。
このプログラムは、初めての試みであり、私のようなアバウトなアドバイザーが関わったために、
事務局も参加者もとても苦労したようです。
苦労は必ずしも悪いことではありませんが、それらが次に生かされなければ報われません。
話し合いがやはり不足していたことを痛感しました。
反省しなければいけません。

発表会を前に、お互いの思いを極力重ねようとミーティングを開催しましたが、
企業と行政の溝はまだまだ大きいようです。
しかし、その溝は必ずしも実体としての溝ではなく、イメージや意識としての溝のように思います。
今回の経験から、ますますこうした、行政と企業、さらにはNPOも含めた、コラボレーションの場の必要性を感じました。
問題はそれをどう具体的にプログラミングするかです。
それが出来れば、きっと価値のある仕組みが創出できるように思います。

今年は事務局の千葉さんの思いを実現するために、本格的な展開をしたいと思います。


■ ソーシャルベンチャー開発研修プログラム
(2003年11月19日)
例の東京都特別区職員研修所のソーシャルベンチャーチームがやってきました。
来年度も研修プログラムに取り組むことになりました。
中心の千葉さんの意気込みに共感しました。
そして、このプログラム自体の開発を一種のソーシャルベンチャーとして取り組むことの方針を確認しました。
一緒に取り組みたい方がいたら、ご連絡下さい。
今なら参加の仕組みが考えられます。
できれば、企業や行政やNPOの枠を超えた、新しい研修スキームを創出したいものです。
一度、関心のある人たちでブレストをやることにしました。
中途半端な取組姿勢の人はだめです。本気の人だけですが。

ところで、その千葉さんですが、パチンコの名手だそうです。
人は見かけによりません。
千葉さんは新しいパチンコのアイデアをお持ちのようです。
それを起業したら大儲けできるかもしれません。
千葉さんに投資する方いませんか。

■ ソーシャルベンチャー開発研修中間報告会
(2003年11月7日)
東京都特別区職員研修所の挑戦的プログラムのソーシャルベンチャー開発研修が進んでいます。
私はその総合コーディネーターなのですが、あんまり貢献していません。
どうも気分がのらないとだめなのです。
たとえ仕事でも。

事務局にはちょっと罪の意識を感じながら、中間報告会に参加しました。
3つの事業構想が発表されました。
「ソーシャル」とは何か、「ベンチャー」とは何かが、あまり意識されていないような気がして、寂しかったです。
開講式の私の話は誰にも伝わっていなかったようです。

発表は正直なところ退屈でした。
しかし、可能性を感じました。
どうも私は急ぎすぎたようです。
発表や意見交換などを通じて、メンバーの思いを少しだけ受け止められました。
もっと時間があれば、面白い議論もできそうです。
これから面白くなって行くでしょう。
私も心を改めて、もっと関わって行くことにします。
千葉優子さん、すみませんでした。
ちなみに、千葉さんというのは、このプログラムの中心にいる職員の方です。
事務局は4人プラス1人です。今度、このメンバーとブレストをやることにしました。

アドバイザー役に、新谷大輔さん井上英之さんに参加してもらいました。
この2人は、実践的で行動的です。
好奇心や思いの強さも共通していますが、新谷さんは理論派、井上さんは感性派です。
こうした若者が歴史を変えて行くのだろうな思います。

新谷さんや
井上さんのことは前に書きましたが、
井上さんはETICのソーシャルベンチャーセンターのプロデューサーです。
そして、自ら起こしたソーシャルベンチャー・パートナーズ・東京ベイの代表です。
実に魅力的な人物です。
いつかゆっくりと紹介しますが、お急ぎの方はネットで調べてください。
彼の活躍ぶりがわかります。
http://www.jsef.jp/sekai/inoue.shtml

新谷さんは、ちょいちょい出てきます。
このホームページでもリンクしていますが、
次のところからもアクセスできます。
http://mitsui.mgssi.com/staff/shintani-d.html


■ 若手の企業人との社会貢献活動論議
(2003年7月29日)
水族館環境教育研究会の安田晋さんが会社の同僚の若林直樹さんと一緒に相談にやってきました。
安田さんは6月14日のコムケアフォーラム2003 in 東京に出展してくれた人です。
いわばコムケア仲間。断るわけにはいきません。

今回の相談は仕事の関係です。
2人が勤務している会社の社会貢献活動プログラムを企画しているのだそうです。その相談です。

私は「社会貢献」なる言葉が嫌いなのです。
そのせいもあって、かなり辛口なコメントをしてしまいましたが、そのおかげで本質的な議論ができました。
企業人とこうした議論をしたのは久しぶりです。

言葉の問題はともかく、いい意味で会社の仕組みを活かして、社会活動をしていくことは、
会社にも本人にも、そして社会にもプラスになるはずです。
そうした姿勢で取り組む企業がほとんどないのが残念です。
せっかくの資金が生きていない事例が多すぎます。
私に預けてもらえらば効果的に使うのですが。

この会社はトップが社会活動とリスクマネジメントをつなげて考えているようです。
つまり戦略課題と位置づけているわけです。
そうであれば、きっといいプログラムが企画できるでしょう。
少しプランを見直して、また仲間と一緒に来るそうです。
どんなプランが出てくるか楽しみです。

■ ソーシャルベンチャー開発研修プログラム開講式(2003年7月30日)
東京都特別区職員研修所のソーシャルベンチャー3人組が苦労して実現した「ソーシャルベンチャー開発研究プログラム」の開講式でした。
都庁、特別区、企業からそれぞれ参加し、総勢21人の参加です。

特筆すべきは、都庁の職員は年休をとっての参加です。
行政も変わってきました。企業と逆転しつつあります。
開講に当たって問題提起しました。

私のソーシャルベンチャー論はかなり明確です。
まずソーシャル発想は個人を起点にしたコモンズ発想とほぼ同値です。
コモンズの世界に軸足を置いて、マーケットの世界とのつながりのなかでビジネス展開するのがコミュニティビジネスです。
その逆はこれまでのビジネスです。
ベンチャーは新しいビジネスモデル開発のことです。
シーズは今の時代、山ほどあります。問題は視点とメソドロジーです。

話の後、参加者各自から自己紹介。
それぞれの思いを語ってもらいました。
現場に裏付けられた問題意識を持つ行政人が多いことを実感しました。楽しみです。

一番、印象的だったのは高校の職員の新井さんからの話でした。
退学届け用紙がほしいと言ってきた生徒との出会いから始まる物語を話してくれました。
現場発の話は示唆に富みます。
ソーシャルベンチャーは理屈ではなく、現場発でなければいけません。
理屈の世界は現場から5年は遅れていますから。

実際にNPO活動に取り組んでいる人にも会いました。
秋山徹さんです。
すでにソーシャルベンチャーの卵を感じました。
面白い取り組みですので、早速、このホームページにリンクさせてもらいました。
セクターなどと関係なく、動いている人は動いています。
これからの展開が楽しみです。



■ ソーシャル・キャピタルに関する座談会
(2003年7月22日)
内閣府が出している月刊誌「ESP」に掲載するため、ソーシャル・キャピタルをテーマにした座談会が開催されました。
3月に開催された、ソーシャル・キャピタルの国際コンファレンスに参加した、山山内直人さん(大阪大学教授)、藤沢久美さん(ソフィアバンク)と私がメンバーです。
司会は大守隆さん(経済社会総合研究所)。大森さんは国際コンファレンスの企画者です。

9月号に掲載されますので、内容紹介はやめますが、NPOと企業の境界がなくなりつつあるという認識をみなさんもお持ちのようでした。
ソーシャル・キャピタルに関しては定義もあいまいですし、まだ各人各様の解釈がされていますが、
私は「人と人のこころのつながり」と捉えています。
20世紀は、人を孤立化することによって、社会の最適化を図ろうとする時代でした。
要素還元により知識を拡大させ、分業により経済を発展させ、量的多数決論理で政治を集権化させてきました。
すべてに通底するのは、つながりの否定です。
その結果、環境問題が深刻化し、コミュニティは解体され、精神的な荒廃が進みました。
21世紀は、そのベクトルを反転させなければなりません。

3月の国際コンファレンスのテーマは、たしか「ソーシャル・キャピタルは経済を活性化するか」でした。
大切なのは、しかし、経済システムの再構築です。
ソーシャル・キャピタルをベースにした経済システムを構想すれば、社会は必ず元気になります。
問題は、しかし、ソーシャル・キャピタルは定量化しにくいということです。
それに因果関係の時間軸が長いということです。
数量化と迅速化を追い求めてきた近代人には不得手なことなのです。
そこで、学者には人気がないのかもしれません。

私はささやかですが、できるだけ現場にふれようとしてきました。
そこでの実感は、ソーシャル・キャピタルこそがすべての基盤だと実感しています。
私がなんとなくやってこられたのは、多くの人からの支えですが、その基盤には「こころのつながり」があるように思います。

座談会の最後に、行政への要望を聞かれました。
ソーシャル・キャピタルを育てていくためには情報共有化の促進に尽きる。いまの行政は相変わらず、情報格差に依存している。
もっと個人を起点にした、情報共有化のための仕組みを育てないといけないのではないかと話ました。
いまや大切な情報はむしろ現場の生活者のほうが持っている。その逆転に行政は気づいていないのです。
情報公開などというのは、瑣末な話です。
目線の高い「お上」の発想です。

いずれにしろ新しい経済システムが求められています。
そろそろ金銭基準の無機的経済システムではなく、それぞれが表情を持った人間的な社会を支援する経済システムに移行していく事が大切だろうと思います。

■ コミュニティビジネス研究センターの大川新人さん(2003年7月22日)
ブックのコーナーで紹介している「成功するNPO 失敗するNPO」の著者の大川さんはNPOやコミュニティビジネスのコンサルティングを目指しています。コムケア活動の応援団でもあります。
彼は多摩市に住んでいますが、そこにある多摩大学総合研究所のコミュニティビジネス研究センターを拠点に活動することになりました。
これからの取り組みも含めて意見交換しました。

私はいまのコミュニティビジネスの動きに少し違和感を持っています。
ビジネスの枠組みの転換がないからです。
これまでの地場企業や小企業とどこが違うのか、あいまいです。
ただ、言葉だけが先行しています。経営コンサルタントや経営学者、あるいは行政の、良く使う手です。
大川さんにはそうならないように要望しました。
このホームページでは何回か書いていますが、私はコミュニティビジネスはこれまでのビジネスモデルとは全く違うものだと思っています。
違いはふたつあります。
まずは「組織起点ではなく個人起点」、そして「顧客志向ではなく自分志向」です。
あんまり理解してもらえないでしょうが、このホームページでメッセージし続けている基本的なパラダイムを理解してもらっている人には伝わるでしょう。
そのメッセージがどれだけ届いているかは全く確信が持てませんが。

日本は概念を消費するのは得意ですが、創出するのは不得手ですね。
海外の言葉を表層的に導入する人が多すぎます。

■ やまぐち産業振興財団の上坂且さん(2003年7月24日)
上坂さんは、かつて話題になったアイスクリーマーの開発者です。
その後、企業を離れ、行政機関に転籍されましたが、いまはそこを定年で辞められ、さまざまな活動をしています。
そのひとつが、山口県の首都圏販路開拓アドバイザーです。
今日は山口県の元気な企業やベンチャーの資料をもってきました。
そうした企業と首都圏の企業をつなげたいというのです。
方法はたぶん、いろいろあるはずです。
「つなぐ」をミッションにしている私にはかっこうのテーマです。

全国の県が多大な予算を使って新聞の1面広告をやります。
私はあれこそ税金の無駄遣いだと思っています。
以前、岐阜県の川勝理事とテレビでご一緒した時、それを指摘して、ちょっと雰囲気を悪くしたことがありますが、あれほどいい加減なイメージ広告はありません。
もちろんすべてではありませんが、いい加減なものが多すぎます。
広告代理店にだまされているとしか思えません。
もっと地道な活動を広げていくべきです。
その方法はいくらでもありますが、要は本気で取り組む人がいるかどうかです。
その人に高々1000万円くらいの予算をつけてやれば、かなりのことができるはずです。
1000万円とはもし100社の企業がいれば1社10万円です。
それを安いととるかどうかは会社によって違うでしょうが、高いと思うところはそもそもコミュニケーション志向がないところかもしれません。
各地の多彩な地場企業をつないでいく仕事。ワクワクするような仕事です。
20歳若ければ夢中になってもいい課題ですね。
どなたかやりませんか。協力します。
まずはインキュベーションハウスのメンバーに呼びかけました。


■ ソーシャルベンチャー事務局ミーティング
(2003年7月16日)
以前、何回か書き込んだソーシャルベンチャー開発研修プログラムが今月末にスタートとします。
その事務局の東京都および特別区の研修所のソーシャルベンチャーチームがやってきました。

このプログラムへの取り組み姿勢に関して、実は始まる前から、企業と行政との熱い論争が始まっています。
ちょっと特殊な話なので普遍性はありませんが、参加者の機密保持契約論争です。
まあ、ばかげた話なのですが、当事者は苦労しているようです。
私は無責任に彼岸視しています。

しかし、こうした動きに、企業がいま置かれている問題点が透けて見えてきます。
たまたまのことで、その企業を評価するのは危険ですが、企業のイメージはそうしたところで形成されてしまいます。
さまざまな企業の人とお付き合いがありますが、実に面白いです。
今でも、企業と個人はホロニックにつながっています。

行政職員からの参加募集は予想以上に多かったようです。
現場の自治体職員が動き出せば、きっと社会は面白くなっていくでしょう。期待できます。

■ 比嘉政浩さんからの贈りもの
(2003年7月8日)
比嘉さんは全国農業協同組合中央会に勤務しています。
付き合いは長いです。
もう20年以上になるでしょうか。
比嘉さんは私の農業のアドバイザーです。
農業に関して知りたいことがあるとすぐ比嘉さんに頼んでしまいます。
比嘉さんは超多忙なスケジュールの合間を見て、いつも的確なアドバイスをしてくれます。
私はこうした友人知人に恵まれています。感謝しなければいけません。

このホームページでも紹介したライファイゼンに関する情報をお願いしていたのですが、資料がドサッと届きました。
魅力的な資料です。
いつもならば早速に研究会をよびかけるところですが、今はちょっと躊躇しています。

毎年、農業の問題にも関わろうと思っていますが、実現しません。
しかし、いまの経済システムを変革するヒントは農業にあると思います。
比嘉さんと近日中に会いたくなりました。

■ソーシャルベンチャー開発プログラム
(2003年6月17日)
これまでも何回か報告してきた、ソーシャルベンチャー開発プログラムがスタートします。
今日はその説明会が、東京都の特別区職員研修所で行われました。
業性関係者と企業からの受講生があつまりました。

説明が終わって、議論になったときに、企業の参加者から、
機密保持と知的所有権はどうなっているのかという質問がありました。
なんでもない質問なのですが、ついつい私が感情的に反応して話がややこしくなりました。
何かがっかりしてしまったのです。
新しい価値を創る文化は、日本にもなくなってきているような気がしました。
経済主義や契約社会からどうにかして抜け出したいものです。


■ソーシャル・ベンチャー開発研究プログラム
(2003年4月16日)
東京都の職員と企業の社員とが一緒になって、「ソーシャル・ベンチャー」を企画し、実現していく、実践的な意識変革プログラムを東京都および東京都特別区の職員研修所の人たちと検討しています。

単なる研修ではなく、実際に資金調達や実現を視野に入れてのプログラム開発です。
ちょっと無理じゃないのと言いたいところですが、担当者たちが真剣に考えているので、これまた加担しないわけにはいきません。
前例がなく、成功の確率も少ないプロジェクトは魅力があります。
それにコアメンバーの気心もかなりわかってきましたので、一緒に取り組むことにしました。

■ソシオ・ビジネス研究会
(2003年4月16日)
ソシオ・ビジネス研究会は多摩大学の北矢行男さんが主宰する、アクティブな研究会です。
私はそこの顧問なのです。
そのため、年に1回、研究会に話にいくのです。
毎回、私の生き方を重ねながら、コムケア活動などの報告をしています。

今回のテーマは、「ソーシャル・キャピタルと新しいビジネスモデルの予兆」です。
なにやら難しいなと自分でも思いながら話してしまいました。

コムケア活動の基本にある思想は「金の切れ目が縁の始まり」です。
これは昨今の社会原理とは違います。
しかし、そう遠い昔の話ではありません。
ポトラッチの世界はいまもなお、いろいろなところに残っています。
私たちの心の中にも、まだ潜んでいるはずです。

コムケア活動を通して感ずるのは、ビジネスのシーズはたくさんあるということです。
別項のソーシャル・キャピタルの小論で書いたように、新しいビジネスの萌芽がいたるところで見られます。
古いめがねをかけていると見えないでしょうが。
それに、新しい組織モデルもかなり見えてきたように思います。

それらの根幹にあるのが「発想の起点」を組織から個人に移すことです。
しかし、このことを伝えるのは難しいです。簡単すぎて伝わりません。

もっとも今回の話は難しかったようです。
3回も話を聞いてくださったコミーの社長の小宮山栄さんは、最初の話は「みんなのものを回復しよう」というメッセージでとても感激したが、今回はカタカナが多くてわからなかったというのです。
そこで、以前、書いていて載せていないメッセージを掲載しました。
小宮山さんへのメッセージです。

ワード研究所の社長の大島章嘉さんは、2回目で少しわかったが、佐藤さんはおよそビジネスでは成功しない哲学者ではないかといわれました。
1回目に聞いた時は、ちょっと危ない人だと思っていたそうです。
少し名誉挽回できました。
しかし、私の企業コンサルティング事業の顧客が増えないわけです。
かなり社会から離脱しているようです。

しかし、視座を変えれば評価は逆転します。
大島さんには、確かにいまのビジネスの世界では成功しませんが、これから大きく変わるであろうビジネスの世界ではきっと成功するでしょう、と答えました。
問題はそういう時代は、まだ30年くらい先にならないと一般化しないということです。
その頃、私は存在していないでしょう。困ったものです。

参加者の一人、中村公平さんが、この人は「オープンブック・マネジメント」という本も訳している、まともな人だと弁護してくれました。
北矢さんも弁護してくれました。
そういえば、毎回、北矢さんは私を弁護してくれます。
弁護されないとダメな顧問って、困ったものですね。
異端者は異端者からしか理解されないのです。はい。
しかし、なかには「すごくわかったよ」という人もいました。まあ、少数でしょうが。

私としては、明確な形になっていないノイズ情報の中に大きなヒントが含まれているように思います。
自らの既存の枠組みで話を受けとめていると新しい気づきは生まれません。

今回のポイントは、「自分のためのビジネス」「複数の組織帰属」「楽しい仕事」「自分の生活」「組織は手段」「複数の価値尺度」「個人のネットワーク」「自己消滅するビジネス」「自己消滅する組織」などです。
これらのキーワードを組み合わせると、きっと新しいビジネスモデルが見えてきます。
私にはしっかりと見えています。

どなたかコンサルティングを頼んできませんか。基本料金は3億円です。

■ソーシャルベンチャー開発プログラム(2003年3月26日)
1月にも報告した、東京都の職員と企業の社員とが一緒になって事業開発に取り組むアクション・ラーニング・プログラムの打ち合わせをしました。
ソーシャルベンチャーがテーマです。
起案者の本多学さんが、今度、転籍になったために、新たに特別区研修センターの枝さんが参加です。

この種のプログラムは、参加する人によって内容が大きく左右されますが、
逆に企画内容によって参加者が決まります。
従って、しっかりしたプログラム開発が大切です。
まだまだ「企画」にコストと時間をかける文化は日本に少ないですが、今回は初年度はむしろシミュレーションにしようということになりました。
行政の研修プログラムの企画などにはなかなか関りにくいのですが、久しぶりです。
そこまで本気なら、加担しないわけにはいきません。

以前、北九州市で上野龍一郎さんと「午後2時半の研修」(名前は不正確です)を一緒に考えたことを思い出します。
この研修は面白かったです。

■ 自治体にとってもビジネスにとっても、チャンス山積みの時代
(2003年1月)
日本食文化交流協会の企画者、東山雅広さんに久しぶりにお会いしました。日本食文化交流協会は全体構想としてはちょっとお休みしているようですが、それにつながる二つの具体的なプロジェクトのお話を聞かせてもらいました。
福島県の泉崎村の「わっはっは!泉崎村」(e村民活動)と「ものづくりに関するワーカーズ・コレクティブ」です。
前者は泉崎村のホームページに紹介がありますので、ご覧下さい。
自治体にとっては、今は大きなチャンスの時代だと思いますが、市町村合併などの発想とは全く違った、こうした路線があることにもっと気づいてほしいものです。
福島県の市町村は、私の知る限りではしっかり自分たちの道を考えているように思います。
【わっはっは!泉崎村】
 http://www.webinfo.co.jp/izumizaki/

ものづくり企業のワーカーズ・コレクティブに関してはまだホームページはできていませんが、間もなく発表されると思います。
基本的には私たちが取り組んでいるインキュベーションハウスと同じ発想ですが、技術をもったメーカーの集まりですから、創発効果は大きいと思います。

異質なものがつながって、新しい価値を創りだすと共に、自分たちの新しいコミュニティを育てて行く。
それこそがこれからの社会の基本ではないかと思っています。
東山さんの活動に共感している所以です。

東山さんは、新しい経済の仕組みを志向しながら、様々な仕組みを構想し、推進している情熱家です。
全国の『いいもの商品』を集めた「いいもの屋」もやっています。
ここの地パンは実に美味しいです。そのホームページでは生産者も紹介しています。
http://www.iimonoya.jp

■ ソーシャルベンチャー開発プログラム(2003年1月31日)
今度はソーシャルベンチャーです。
企業の社員研修が変化しだしてから10年くらい経ちますが、行政でもこの数年、職員研修の形が変化しています。
研修嫌いの私が、いくつかの自治体で引受けさせてもらっているのは、そのおかげです。

今日は久しぶりに板橋区の職員の本多学さんがやってきました。
本田さんは13年以上前にサロンに参加されて以来です。
今は東京都の特別区職員研修所に出向されていますが、そこで新しい研修プログラムを開発されています。
一緒に取り組んでいる、同僚の千葉優子さんと東京都の職員研修所の坂谷信雄さんがご一緒でした。
新しい事への取組みは、いつも面白いです。

今回は、ソーシャルベンチャー開発の実践的なプログラム開発がテーマのようです。
ソーシャルアントレプレナーやソーシャルビジネスは言葉としては流行しだしていますし、様々な実践活動も始まっています。
私の住んでいる我孫子市でもコミュニティビジネス支援のプログラムが行われています。
しかし、私はどうも違和感があります。
発想がこれまでの延長のような気がしてならないからです。
シニアビジネスの小論でも書きましたが、「社会活動をビジネス化」するのではなく、「ビジネスを社会化」することがいま求められています。
そのためには、パラダイム転換が必要ですが、そのあたりが実感できません。
インキュベーションハウスは、まさにそうした新しいビジネス創出を設立目的の一つにしていますが、まだ起動できずにいます。
ちょうどいい機会なので、本多さんたちの企画づくりに関わらせてもらうことにしました。

行政もソーシャルベンチャーを考える時代になってきたのです。
そろそろコストセンターからプロフィットセンターへの転換です。
そうならない限り、住民とのパートナーシップなど作れるはずがないのですが、こうした動きが出てきた事を嬉しく思います。
この動きはまたご報告できるかもしれません。