■ インキュベーションハウス物語

[前口上]

新しい会社の形を目指した、インキュベーションハウス有限会社がまもなく発足します。
その顛末と成長進化の物語を、少しだけライブにこれからご報告していきます。

この会社は、実際にビジネスをやっていきます。
出資金が枯渇して消滅するか、事業開拓に成功して大発展するかは、これからのお楽しみです。
私としては、もちろん消滅させたくはなく、発展させたいと思っています。

会社の実績はまだないですが、キャパシティーはほぼ無限の会社です。
何かお困りのことがあれば、ご連絡下さい。どんな問題でも相談に応じます。
皆さんのご支援を得て、新しい会社のモデルの一つになれればと思っています。
ご支援下さい。そして、ぜひお仕事をいただけないでしょうか。

さて前置きはこのくらいで、物語の始まりです。
なお、この物語はいつか、ちゃんとした本にしたいと思っています。
出版してくれるところはないでしょうか。面白い本になると思います。
今ならプレミアムなしです。はい。

〔不発の1年目〕

2002年1月18日

インキュベーションハウスの定款がまとまりました。
出資者11人が集まり、定款に印鑑を押しました。来週から設立手続きです。

インキュベーションハウスへのお誘いを読んでいただくとわかるのですが、一言でいえば、「みんなで出資し、みんなで働き、みんなで成果を分かち合う、みんなの会社」です。
コミットの度合いは、それぞれの状況に合わせて、違います。
要するに、自分のための活動の舞台です。
私がこれまで作ってきた組織は全てそういうものですが、なかなかその主旨は理解されません。
いずれまた、ご紹介していきますが、参加者が主体的になって活かしていく文化を創るのは難しいことを体験しています。
今回は、懲りずに、しかも正面からビジネスに取り組んだプロジェクトです。

私からの呼びかけに応じて、11人の方々が「一緒にやろう」と言ってくれました。
実に多彩な方々です。女性はいません。
女性の方でも関心を示してくださった友人はいるのですが、とりあえず今回は男性だけで出始めることにしました。
但し、専門分野や関心事は様々です。
幸いなことに税理士の方も参加してくれました。
年齢は20代から60代まで幅広い構成です。
参加の動機も様々です。まさに同床異夢。さてさて。

そうした異質の集団であることから予想されたのですが、設立の直前になって議論噴出です。

一番もめたのが「社名」です。
社名にはそれぞれの思いや考えが象徴されますから、当然のことです。
意外だったのは、「有限会社」という呼称を「インキュベーションハウス」の前に置くか後ろにおくかの議論です。
私は躊躇なく前に起きたかったのですが、論敵がいたために、無残にも敗れてしまいました。
つまり後ろになったのです。

念のためにいえば、多数決では前に賛成する人が多かったのです。
ところがなぜか後になりました。
ここにこそ、インキュベーションハウスの物語の面白さがあります。
まあ、そのあたりの話はまたお話しますが、今回は社名についてみんな多くのことを学びました。

定款事件のおかげで、異質なメンバーの集まりがもたらす創発効果を、会社が始まる前から実感することができました。
メンバーの相互理解も深まりました。
ちなみにメンバーは初対面の人がむしろ多いのです。
共通点は私の友人だということだけです。

昨日18日の夜、全員が集まりました。
わざわざ新潟から駆けつけてくれたメンバーもいます。
活動地域も様々なのです。

定款に印鑑を押しました。いよいよスタートです。

会社を設立する場合は、定款を登記所に届けなければなりません、
そこに事業目的を書くことになっています。
そこでも問題が発生しました。
事業目的のひとつに「コーポレート・アイデンティティ」「ブランド・アイデンティティ」という表現を入れておいたのですが、これが事前の相談では、まだ一般化していないので表現を変えるように言われたのです。
さてどうするか。
メンバーにはコーポレート・アイデンティティを仕事の一つにしている人が複数いますので、これは再度、登記所を説得しようということになりました。
どうなるでしょうか。結果は来週わかります。

こうやって書いていくときりがないですね。
もっと詳しく聞きたい方は、ぜひインキュベーションハウス有限会社に仕事を発注してください。
必ず面白い展開になるはずです。
もちろんご満足いただける成果も実現いたします。
開業は来月からです。ご期待ください。

* 呼びかけの段階では、インキュベーションハウスの「インキュベーション」には、「新しい価値を育てる」「新しい事業を育てる」「新しい社会を育てる」という意味合いを込めました。新しい会社(のかたち)や事業のパラダイムを育てていく」という社会的メッセージも込めています。「ハウス」には、利害を超えた人間的な信頼関係を大事にするという思いを込めました。こうした私の思いも、これからのインキュベーションハウス活動の中で、みんなと一緒に深めて生きたいと思っています。

2002年3月20日

■ インキュベーションハウスの総寄り合いが開かれました

このホームページでのインキュベーションハウスの報告が途絶えていますが、会社設立後、最初の総寄り合いを開催しました。
みんな自らの仕事を持ちながらの活動ですが、年度末のせいか、自分の活動拠点の方の仕事が忙しくて、なかなか全員集まれません。
私のような零細企業や個人で仕事をしている者の大変さ(面白さでもありますが)はなかなか伝えにくいですが、まあ、何とか今年度はみんなそれぞれに乗り切れそうです。

今回はインキュベーションハウスで取り組む新規事業を検討しました。
私もひとつ画期的な事業企画を提案しました。
みんなの賛同が得られれば、こんどお知らせいたします。
とても楽しい事業です。まだ内緒ですが、コーヒーをご馳走してくれたらこっそりお話します。

■ インキュベーションハウスの事業開発会議2002年7月)
 
インキュベーションハウスのことをずっと報告していません。インキュベーションハウスは新しい働き方を目指した、新しい会社です。「みんなが出資し、みんなが経営し、みんなが働き、みんなが結果をシェアする」ワーカーズ・コレクティブ方式の有限会社です。
 今年の2月に発足以来、少しずつ動いていますが、まさに少しずつです。このテンポが私はとても好きですが、やや遅すぎて、注意しないと何もしないうちに出資金が底をつきかねません。デモ。ようやく動きが次々と出てきました。
 今週は、そうしたことに関連して、3つのプロジェクトのミーティングがありました。メンバーの誰かが、こんなことをやりたいと思ったら、簡単な企画書をメンバーに発信します。そのプロジェクトに関心を持った人が集まり、検討会をやります。そこで合意ができればプロジェクトチームができ、事業展開に取り組みます。資金調達から事業展開まで、すべてチームの責任です。成果が出れば、これまた当然、チームで配分します。リスクに応じた配分が基本方針です。
 今回の3つのプロジェクトには、私も関心があり、参加しました。それぞれに面白いテーマです。当面は利益どころか持ち出しのようなプロジェクトもありますが、いずれも内容的に面白く、さらに発展性があります。変革の時代にはビジネスチャンスは山ほどあるというのが私の意見ですが、そう思います。いまはまさに新しい事業創出の時代です。なんで雇用不安が広がっているのでしょうか。自分で仕事を創ろうと思えば、いくらでも事業機会はあります。起業家マインドが萎えてしまっているのでしょうか。それとも事業ということの意味が忘れられてしまったのでしょうか。事業とはリスクを楽しむことです。事業の原点に戻らなければなりません。
 これに関しては、協同労働の話をいつか書き込みたいと思っています。仕事は与えられるものではなく、創りだすものです。

■ インキュベーションハウス清水プロジェクト(2002年8月5日)
これは企業機密?につながる話です。先週に続いてインキュベーションハウスの事業開発会議です。小さな一歩が始まりそうです。内容は企業機密ですから話せませんが(まあ、話すほどの内容がないという言い方もできますが)、新しい事業を創出していくのは楽しいですね。発表できるようになったら発表します。とりあえずは清水プロジェクトという名前だけをお知らせしておきます。清水さんは環境コミュニケーションの専門家です。環境会計やISO にも造詣の深い大学の先生です。

関係者4人でブレストをやりました、インキュベーションハウスでは、誰かが仕事を思いついたり受注したりしたら、その人がリーダーになって全員に声をかけます。関心のある人が手を上げ、その中からリーダーがチームをつくります。それがビジネスユニットになっていきます。プロジェクトが終われば解散。利益が出れば参加者で配分します。会社にも利益の2割が配分されます。つまり協同労働の場なのです。

自発的に集まったメンバーですから、いろんなアイデアが出てきます。夢もふくらみます。基本的に楽観主義がインキュベーションハウスの特徴です。成功の確率が少ないものほど好きな私が社長ですから、心配性の人はなかなか勤まらないかもしれません。
さて清水プロジェクトはうまくいくでしょうか。またご報告します。

■ 環境創造コミュニケーションプロジェクト(2002年8月30日)
インキュベーションハウスのプロジェクトの一つに、環境創造コミュニケーションチームの取組みがあります。私は以前、環境探偵団なる中途半端な研究会をやったり、山形市で環境をテーマにした全国先進事例会議のプロデュースに関わったりしていましたが、最近はちょっと福祉などに重点を置きすぎて環境問題への取組みが脇に置かれがちになっていました。たまたまインキュベーションハウスのメンバーの清水正道さん(淑徳大学助教授)からのお誘いがあり、参加することにしました。
環境問題に対する私の姿勢は、環境と経済のシナジーの実現です。従って、リサイクル産業論や静脈産業論には全く反対です。もちろん過渡的な意義はありますが、問題を悪化させることだと思っています。これまでの産業の出口を整備すればするほど、これまでの産業のあり方は正当化されます。大切なのは分別用のゴミ箱を増やすことではなく、ゴミ箱をなくすことです。それは子どもでもわかる理屈なのですが、大人はそうは考えません。困ったものです。
これについても、10年以上前に書いた小論があります。読んでもらえればうれしいです。当時は環境に関してもいくつか小論を書きましたが、最近は書く気も起きないです。これまた困ったものです。
 →地球との共生意識が企業を進化させる(1991)

■ インキュベーションハウス総寄り合い(2002年8月31日)
インキュベーションハウスの総寄り合いです。インキュベーションハウスは11人のメンバーでつくったワーカーズ・コレクティブ方式の実験的会社です。全員が出資者で、経営者で、働き手で、利益(損失)の平等な受け手です。
今回は、 メンバーがこんなことをやりたいとそれぞれ事業提案を持ち寄り、マーケティング投資としての100万円の配分を協議するのが大きなテーマでした。
残念ながら、今回はこれで会社は安泰という企画はありませんでした。しかし、起業とは何か、事業とは何かについて、真剣に取り組んでいこうという人にはとてもいい実践的学びの場です。30万円の出資など安いものです。今回は二人から企画提案がありましたが、まだ事業構想にはなっていなかったため、もう少しそれぞれが深めることになりました。事業とは価値を創出することですが、みんな活動をすることだという枠からなかなか抜け出られないようです。

インキュベーションハウスは参加者が平等に使い込んでいくオープンプラットフォームです。みんなが使い込まなければ、存在意義がないものとして倒産します。まさに生きた組織です。組織は使い込まなければなりません。皆さん、組織に使われていませんか。

■インキュベーションハウスの総寄り合い(2002年12月9日)
新しい働きの場を目指して、志高く、しかしかなりアバウトにスタートした、インキュベーションハウスは、ライブレポートを書き込むといいながら、その後、あんまり報告していません。それもそのはず、あまり動いていないのです。まあ、新しい事はそう簡単には進まないのです。はい。
 しかし、年度末になりました。メンバーの一人である税理士の外崎さんに相談に言ったら、手厳しく怒られました。みんな本当にやる気があるのか、それがないなら解散すべきだ、というのです。折角最近は私の会社では怒られなくなったのに、また怒られてしまいました。だから税理士は嫌いです。外崎さんはとてもいい人なんですが。
 しかし、外崎さんの指摘は全く完全に正しいのです。そこで総寄り合いを開催しました。雪にも関わらず8人が参加しました。私は休みたかったのですが。
 今年のこの会社の売上は、なんと23万円で、利益は2万円です。これでは外崎さんが怒るのも当然です。本当に存続させるのかどうかを議論しました。結論は存続で、来年はみんなで仕事をともかく探してくることになりました。当面は理念よりも利益です。何だか私がいつも嫌っている会社のやり方みたいですね。しかし、まあ緊急避難的にやむを得ないのです。あれ、これもよく言われる言い訳ですね。いやはや。
 しかし、そこはメンバーの良識を信じましょう。絶対に利益目的だけにはならないでしょう。いや、そうならないためにも仕事を見つけなければなりません。
 みなさん、何か仕事はないですか。インキュベーションハウスのメンバーは様々な専門家集団ですので、核兵器の開発と宇宙旅行以外はたぶん何でもできます。銀行強盗や仕置き人請負はちょっと辞退しますが、まあ通常の仕事なら何でも来いです。ホームページの作成、商品開発、宣伝広告、イベント、ピンバッジの作成、CI、調査分析、引越しの手伝い、自分史の本作り、風邪の治療、環境経営支援、体験学習、まち起こし、なんでも大丈夫です。ぜひご相談ください。必ずご満足できる結果を提供します。

■インキュベーションハウスの1年目
インキュベーションハウスの1年目は残念ながら動き出せませんでした。
設立時と比べて、みんなの個人事情が変化して来たこともありますが、共創型組織の限界もありました。
総寄り合いの後、メンバーの一人が脱退したいと申し出てきました。
本来であれば、2年間は脱退はしないという話を最初の総寄り合いでしたのですが、記録をきちんと残していませんでした。
インキュベーションハウスには、ある意味でのコミュニティ感覚を含意させています。
メンバーは私が呼びかけたので、こうした離脱者が出てくるのは私の責任です。
私の反省は、人はやはり文書や話はよほどでないと理解していないものだということでした。
私としては大きく落胆しましたが、同時に反省もしました。
しかし、やや牽強付会にいえば、この事件で参加者の思いの共有化は進んだと思います。

離脱したい人に関しては、 私がとりあえずの肩代わりをし(出資金をそのまま返却しました)、誰かを探すことにしました。
参加したい方はいませんか。

この件で、メンバーの平田さんからとても面白い提案がありました。
平田さんは、社名論争で「有限会社」を前にするか後にするかで争った憎き論敵です。

「また、代わりの出資者を「至急に」探さなければならないということもなく、周囲に 一緒に渾沌を味わいたいと思う奇特な方がいらっしゃったら、引きずり込んでしまお う、ということだと思います。
ところで、「ひとつ空席がある」というのは、組織の活力維持の上でよいことかもしれません。永遠に未完成のサグラダファミリア教会みたいに。
いっそのこと会社案内は、11人目を空欄にして、

『このポジションは、サクラダベンチといいます。
初代櫻田氏が去られた後、空席になっています。ガウディのプラン通り今もなお建設工事が続けられているサグラダファミリア教会のように、未完成のまま“つくり続け る”ことで、少しでもインキュベーションハウスの生命力の足しになれば、との思いもあります。
インキュベーションハウスでは、このサクラダベンチにおすわりになる方を募集して います。
そして11人目が埋まったら、サクラダベンチは12人目へと移設される予定です。

インキュベーションハウス 出資者募集
1口30万円、出資者としてご参加いただける方
ご希望であれば、取締役にもなれます』

てなコピーを入れます。」

これはすばらしい案だと思います。
まだメンバーの合意は得られていませんが、次回の寄り合いで提案ししたいと思います。

さてそんなわけで、この1年のインキュベーションハウスは不発でした。
資本金は70万円程度減りました。
来年は本格的な始動のために、1月10日に総寄り合い学校あります。
この日は平田さんの誕生日です。

[発展の2年目〕

■ インキュベーションハウス総寄り合い(2003年1月10日)
インキュベーションハウスの総寄り合いでした。いくつかの事業提案が出されました。少しずつですが前進しています。まだ気を許せませんが。
事業開発の話し合いは無事終わったのですが、その後、会社の運営に関する話になりました。メンバーの一人が降りたいと言い出し、私の独断でそれを認めてしまった事を、全員から厳しく糾弾されたのです。全く弁解の余地がありません。どうやら社長解任は免れましたが、怒られてしまいました。
しかし、こういう事を通じて、少しずつですが、メンバーのつながりが深まっているように思います。これまでの「合理的なつながり」だけではなく、「仲間的なつながり」をベースにした、働きの場ができないものかと思っています。まだまだ前途多難な気がしますが。

■ インキュベーションハウス事業開発会議(2003年1月29日)
先行き不安のインキュベーションハウス有限会社の事業開発会議です。
少しずつ前が見え出しました。
すごくいい企画も出てきました。
今回は、ブルーツーリズムの企画や内容の豊かな文化サロン事業が出てきましたが、その内容を聞いているとむしろ供給側でなく、お客様になりたい気分です。
売るのがもったいないということです。
花見酒の経済ではないですが、いい企画を仲間同士で売り買いしては、会社は成長しないどころか倒産しかねません。
企画は程々がいいですね。
売りたくないほどいい企画をしてはいけません。これが今回の教訓です。
というわけで、お楽しみ企画進行中です。

まあ、それはそれとして、目先の運営資金確保のために手っ取り早い仕事を募集中です。
何かいい仕事はないでしょうか。
どんな無理難題にも応えます。ぜひご相談下さい。

■ 新たなサロンの話(2003年2月3日)
インキュベーションハウスの協力者の一人である菅野弘達さんが、工作社の塩野哲也さんと一緒に、新しいサロンを企画しています。
 一線で活躍されているインテリアデザイナーなどをホストにして、その人の作品の現場でゆっくりと話し合うサロンです。参加者も限定しての、かなり贅沢なサロンになると思いますが、サロン好きの私としては関心を持たざるを得ません。
 バウハウスとはいいませんが、そうしたサロンから新しい時代を開くデザイナーが輩出するような場になればと期待は膨らみます。4月から始まります。また決まり次第、このホームページでも案内させていただきます。定員制なので、私も参加させてもらえるかどうかわかりませんが、ご関心のある方は早めにご連絡下さい。
 企画者の一人、塩野さんから室内デザインなどの話を少し聞かせてもらいました。塩野さんは「室内」という雑誌に関わっていますが、山本夏彦さんが活動の主軸にされていただけあって、質感のあるいい雑誌です。
 最近号をいただいて、帰路にゆっくり読ませてもらいました。改めて日本の住宅づくりのあり方に、基本的な疑問を感じました。ハウスメーカーのビジネスの進め方を根本から変えるコンサルティングがやりたくなりました。依頼客はないでしょうか。

■ インキュベーションハウス寄り合い(2003年8月1日)
インキュベーションハウスでは毎月寄り合いを行うことになりました。
今日は環境広告プロジェクトがテーマでした。
これから取り組むプロジェクトです。
プロデューサーは宮部浩司さん。昔の環境探偵団の同志です。

私はもともと環境が関心事でした。
学生の時から自称エコロジストでした。
しかし最近はケアの世界に重点が移っていました。
環境問題への取り組みがちょっと少なくなっていました。

そうなったのは理由があります。
宮崎県綾町の東洋1の照葉樹林を見たのがきっかけです。
盛り上がってくるような森のいのちにふれて、呆然としたのですが、
そして、環境問題について私が考えてきていた事がなぜか馬鹿らしくなったのです。


その時は水俣から綾町にかけて環境問題の現地を学びに行ったのです。
ガイドは水俣市の環境課長の吉本さんです。
環境問題に関しては本物の実践者です。

贅沢な3日間でした。
水俣では杉本栄子さんにもお会いしました。

その旅行は環境探偵団の活動の一環でしたが、
その結果、私自身は環境問題に向う元気をなくしました。

昨年はたべもの通貨の委員会で環境経済学の植田さんとご一緒しました。
以前ならいろいろとお話できたと思いますが、だめでした。
そして、ケアの世界にのめりこみだしたわけです。

しかし、そろそろまた環境問題を考えたくなりました。
そのいい機会です。


インキュベーションハウスでは、これまでなかった新しい環境広告の枠組みをつくります。
実際の事業展開は今秋以降です。
もし環境コミュニケーション戦略を見直そうとされている企業があればご相談下さい。
これまでの環境コミュニケーション活動とはちょっと違った提案をさせてもらいます。

■ 環境広告(2003年8月22日)
インキュベーションハウスの環境プロジェクトの委員会でした。
環境広告がテーマです。
環境コミュニケーションが話題になっているので、そうした実態調査や論考が進んでいる者とばかり思っていましたが、
少し調べてみたら、ほとんどないことがわかりました。
意外でした。面白いテーマだと思うのですが。

私は環境政策と企業の成長戦略とは相乗効果を創出する関係にあると確信しています。
そう思っている企業の環境担当の役員や部長には、これまでお会いした事がありません。
思っていなければ、実現するはずもありません。残念です。
エコロジーとエコノミーは、本来、同じところから出発しているのですが。

私は環境広告を、まさに企業を生き生きさせるコミュニケーション戦略と考えています。
ボルボの広告の衝撃を今でも忘れられません。
今回のメンバーの一人である、東大の大学院の関谷直也さんが企業をヒアリングすることになりました。
環境問題に真剣に取り組んでいる企業がもしあれば協力してくれませんか。
あるいは紹介してくれませんか。
形式的な情報はいりません。本音ベースのお話をぜひ聞きたいのです。

■ インキュベーションハウスの寄り合い(2003年10月28日)
インキュベーションハウスの寄り合いでした。
新しいプロジェクトも少しずつ動き出しています。
新しい仲間も募集中です。どなたか参加しませんか。
その気になれば、実に面白い仕組みになりますよ。
お誘いをぜひお読みください。

今回の議論の内容は企業機密?のため公開できないのが残念です。
公開できる議論が一つあります。
メンバーの平田さんによれば、水田の起源は高地の自然田代だそうです。
中国の雲南が出発点だそうです。日本では新潟のようです。
この分野の薀蓄を聞きたい方は、いつでも平田さんを紹介します。

■ インキュベーションハウス総寄り合い(2003年12月10日)
インキュベーションハウスの業績は飛躍的に伸びました。成長率は10倍近くです。
もっとも、昨年はなんと売上30万円くらいでしたから、10倍といっても200万強なのです。
従って赤字です。
そのため、社長は引責辞任することになりました。
といっても、この会社は、給料もマイナス給料(つまり毎月社員が会社に給料を払います)であるように、すべて反対発想なので。
「マイナス辞任」つまり続投なのです。
困ったものです。

それはともかく(と言っていてはいけないのですが)、今日は5人の社員が集まりました。
結局、忘年会になりました。
新潟在住のメンバーの佐藤裕さん(リッセ企画社長)が越の寒梅を持参してくれました。
それでほとんど仕事の話はなかったような気がします。
本当は今年一杯で継続の当否を決めると言う話だったのですが、
幸いなことに厳しいメンバーが忙しさの故に参加できず、
アバウトなメンバーばかりが集まったので、なんとなく継続になったように思います。

決まったことは、もっとメンバーの交流を深めようということです。
つまり飲み会を増やせということでしょうか。いやはや。

こんな書き方をすると、インキュベーションハウスには未来がないように思うかもしれませんが、そうではないのです。
未来はあるのです。
新しいビジネスの光が少しずつ見えてきています。
それから入社希望者も増えているのです。

インキュベーションハウスのお誘いをお読みなって、趣旨に賛同された方はご連絡下さい。
入社試験は2月頃の予定です。
縁故者?はえこひいきします。はい。


■ インキュベーションハウス総寄り合い(2004年3月5日)
インキュベーションハウス存亡の危機」という噂が社内で流れました。
メンバーの半数以上が、いろいろな事情で置かれている立場が変わってしまったことが一因です。
人生にはいろいろあります。

そこで、一体、インキュベーションハウスって何なのだという寄り合いが持たれたのです。
議論をしっかりと整理して問題提起をしてくれるのが平田さんです。

まず企業である以上、利益をあげなければいけませんが、それがまだうまく行きません。
インキュベーションハウスはそれぞれが仕事を持っている人たちのワーカーズコレクティブです。
自分の仕事が忙しいとなかなかインキュベーションハウスでの仕事起こしができません。
そこをどうするかが課題です。
やはり半分選任で取り組める人が必要ですが、その人に給料を払う余裕がありません。
何しろ今はマイナス給与方式なのです。
これについては、少し可能な範囲でメンバーが時間を割いて仕事起こしをすることになりました。

インキュベーションハウスって何だという議論は、うれしい方向に行きました。
設立当初の議論でも主張したのですが、
「ハウス」という名前には、実は家族のような支え合いの精神を込めています。
孤立化して行く方向にあるビジネス社会に、
メンバーが困った時には支えあう、人のつながりを埋め込みたいというのが、私の思いでした。
それが何となく合意されてきているように思います。

そんなわけで、存亡の危機は克服?されました。
家族関係は危機に直面してこそ、存続させなければいけないからです。
まあ、論理に詰めが甘いのは、参加者がみんな甘いからです。

それにしても早く黒字にしなければ、何時までたっても社長を辞めさせてもらえません。
どなたか仕事をくれませんか。
反社会的なものでなければ、何でも対応できます。
但し3億円以内の仕事ですが。
それ以上の仕事は、コンセプトワークショップでお引き受けします。はい。

■ インキュベーションハウス社員募集活動(2004年3月22日)
インキュベーションハウスを、今年こそ活性化させようと考えています。
そのため、新たに社員を募集することになりました。
みなさんいかがですか。
出資金が30万円ですが、かけがえのない仲間をつくれます。
しかも毎月給与もでます。但し、マイナスなので自分で振り込むのですが。
会社が活性化するとマイナス給与がプラスに転じます。
ワーカーズコレクティブ方式の有限会社です。
ご希望であれば社長にもなれます。
社長職にメリットがないため希望者がいないのです。
したがって
健全な会社?です。
オフィスは本郷です。自由に使えます。
アフォーダブルな環境です。

今日はその候補者に会いました。
現職の新聞社の社員です。
もうひとつの拠点づくりは、組織人にもこれからは必要です。
複属の生き方は、1977年の経済同友会の研究会で、私たちのグループで提案したことです。
それを私は実践してきましたが、インキュベーションハウスもその一つの装置です。
ご関心のある方はこのホームページにも誘いかけがなされていますが、私にご連絡下さい。
今なら2人の枠が用意されています。
個人オフィスとして使うことも可能です。

なにやら募集記事になりましたが、
最近、これはという人を探して勧誘しているのです。
一人で会社をやっていると疲れます。
仲間がいると元気になりますよ。

■ナイト・スタディ・ハウス(2004年7月22日)
しばらく報告もしませんでしたが、
インキュベーションハウスが関わる活動の一つとして、ナイト・スタディ・ハウスを実施しています。
私自身が全く参加できなくなっていましたが、
その企画推進者の菅野さんと塩野さんが、活動報告に来てくれました。
今年は塩野さんのご尽力で、新しい取り組みも広がっているようです。
活動内容は、ナイト・スタディ・ハウスのホームページを見てください。
秋には素晴らしい企画も予定されています。

この2日間、素晴らしい若者たちに会いましたが、
ちょっと上の世代の、菅野さんや塩野さんの活動にも感動します。
2人とも会社の仕事とは別の活動です。
クリエイターたちを囲む、ぜいたくな場づくりがこのプロジェクトの特徴です。
こうした集まりの中から、きっと面白い物語が生まれるでしょう。

この活動の傍ら、菅野さんは多摩大学の大学院に通っています。
これまでの仕事の実績を踏まえて、修士論文に取り組みだすそうです。
学ぶことが若者だけに独占されていた時代は終わろうとしています。

横道ですが、半田さんの「学びの場」づくりプロジェクトも、基本コンセプトが議論されだしています。
10月には構想が発表される予定です。
これもまた案内します。

■ インキュベーションハウス総寄り合い(2004年9月7日)
久しぶりにインキュベーションハウスの総寄り合いを開催しました。
みんな忙しくて、なかなか開催できないのですが、今日は、税理士の外崎さんをのぞき、全員参加です。
インキュベーションハウスはワーカーズコレクティブ方式による有限会社です。
メンバーは9人、それぞれ得意分野と仕事をもちながらの参加です。
参加の意味合いはそれぞれに違いますが、単なるビジネスではなく、なにやらホッとする人のつながりを大切にするようになってきています。

しかし、そうはいっても、利益の上がる仕事をしないと維持できません。
それで今日もみんなでどうしたらいいか話し合いました。
1億円のビッグプロジェクトから、月額1万円のマイクロプロジェクトまで、いろいろと話は弾みました。
こんな話も出ました。
ある会社経営者から、月1万円で住所だけを貸してくれないかという話です。
デスクを置くと3万円が必要ですが、デスクなしで、しかし時々はオフィス使いをするという申し出です。
登録者が100人になると、毎月100万円収入があります。これはいいビジネスです。
しかし、だからといって、そう考えないのがインキュベーションハウスのいい所なのです。

インキュベーションハウスのメンバーが考えるメリットは、さまざまな人の出会いの場になると言うことです。
インキュベーションハウスの寄り合いだと、いつも同じメンバーで、大体誰が何を言うかはわかってしまっています。
そこにさまざまな人が参加するようになれば、場の魅力は高まります。
いや、実はこれこそがインキュベーションハウスの最初の構想だったのです。
で、けっきょく、これは「儲かるビジネス」だからではなく「面白いビジネス」だからと言う事で、実行することにしました。

どうですか、月額1万円で、素晴らしい仲間と場所が持てます。
第1期は5人募集することにしました。
ご希望の方は至急ご連絡下さい。

早い者勝ちです。
但し、理念を共有している事が重要です。
理念は、楽しくやることです。

■インキュベーションハウス総寄り合い(2004年12月13日)
久しぶりのインキュベーションハウスの総寄り合いです。
今回からアソシエイツの田辺大さんにも参加してもらいました。
税理士の外崎さんが参加したので、経営をしていない社長である私が厳しくとがめられるだろうなと心配していたのですが、
参加者みんながあまりに能天気に緊張感のない話をしているのに呆れたのか、外崎さんも呆れたようで怒られずにホッとしました。
しかし、最後にもう少しがんばらないと引責留任から逃れられないと言われました。いやはや。

菅野さんが、こういうスタイルの会社はやはり難しいですねとしみじみ言ったのも印象的でした。
彼は今、勉学に目覚め、改めて経営を学ぶために大学院に通いだしているのです。
菅野さんといえば、もう20年の付き合いになるそうです。
仕事でご一緒した記憶はないのですが、なぜか付き合いが続き、私の道楽にいつも快く対応してくれるのです。
愛すべき若者も、いまや頼れる私の応援団です。
感謝しなければいけません。

平田さんは今、忙しいようですが、この人は忙しくても常に余裕のある人です。
今回もまた弥生期には芋の水田があったとか、韓国の焼畑は日本の占領時代から始まったとかいうレクチャをしてくれました。
平田さんの世界は、いつも魅惑的です。もちろん最近のCIの仕事の話も出ました。

宮部さんからは大きな囲炉裏端構想の話が紹介されました。
これは山形市の話にもつながるのですが、来年はきっと面白い展開になるでしょう。
インキュベーションハウスの仕事にできるかどうかは社長の腕の見せ所です。
社長と言うのは、かく言う私ですが、ちょっと頼りないのが心配です。

田辺さんからは社会起業家の話が少しありました。
外崎さんから厳しい質問もありましたが、田辺さんが参加してくれたので、インキュベーションハウスも活性化するかもしれません。
最近はみんなマンネリで、平和な村の寄り合いのようになってしまっていますから。

インキュベーションハウスでは新規社員を募集しています。
その気になれば、のっとり可能です。
どうですか、参加しませんか。
関心のある方はご連絡ください。
面接を通れば、即入社できます。
いまどき、そんな会社はそうはありませんよ。