経営道フォーラム活動

■KAE36期スタート(2004年11月25日)
KAE経営道フォーラム36期のスタートの合宿です。
今回は「企業理念・経営理念」と「企業風土・企業文化」の2チームを担当します。
参加者が増えたので、また私の担当チームが増えたのです。
しばらく楽をさせてもらってきたのですが。

企業は最近、人材教育に力を入れだしたようです。
いいことです。企業にとっての最大の経営資源は人だからです。
ただし、人の育て方は難しいです。しっかりと考えなければいけません。
既存の研修機関に安直に投げ込んではいけません。
時代はまさにパラダイム転換しているのですから。
ここから先は書くのをやめましょう。差しさわりが出そうですから。

KAEのこのプログラムに、私は当初から関らせてもらっています。もう19年目です。
経営幹部を通して、時代の変化や企業人の変化を実感していますが、それは必ずしも方向が定まっているわけではありません。
奇妙に曲折している気がします。
ただ、10数年前に書いた「大企業解体の予兆」はかなり現実のものになってきているような気がします。

今回のチームメンバーの関心は、
「変革のためのツールとしての経営理念」
「メンバー一人ひとりが生き生き働いている組織」
にあるようです。
どのような方向にみんなの目が行くか楽しみです。


■KAE経営道フォーラム公開発表会
(2004年11月8日)
経営道フォーラム第35期生の公開発表会がありました。
これからの企業経営のあり方を考える3つのチームの発表です。
最近はメンバーに勉強しようという姿勢が強く、
自分たちの考えをまとめて提案していこうという独自性が弱まっているところに不満がありますが、
各チームとも、しっかりとまとめて、発表にも力が入っていました。

ちょっと身びいきな気もしますが、
私が関らせてもらったチームは、自分の問題として消化していたように思います。
最後にお話させてもらったのですが、新しい企業経営のあり方に関して、
さまざまなことが語られているわりには、企業は変化しません。
そこが問題だと思うのですが、企業を離れて見ていると、
だれも本気で企業を変えようと思っていないからではないかと思えてなりません。
私もそれなりに変えようと東レでがんばったのですが、
途中で会社を辞めてしまったので、あまり大きなことをいえませんが。

これからの企業のあり方は、そこにいる社員の生き方にかかっているという話をさせてもらいました。
いま、問われているのは、企業のあり方ではなく、企業人の生き方だと、私は思っています。
自分の問題だと思わなければ、いくら勉強しても何も変わりません。
そこにみんなが気づきだせば、日本は大きく変わっていくでしょう。

企業人にとってはとても面白い時代です。しかし、楽しんでいる人が少ないのが残念です。

■KAE経営道フォーラム合宿
(2004年10月7日)
KAE35期生のまとめの合宿です。
大企業7社の経営幹部が「魅力ある企業」をテーマに議論してきたことのまとめです。
この忙しい時代に、企業の要職にある部長たちが2日間もかけて、
企業とは何か、経営理念とは何かを議論するということは、そうあることではありません。
しかし、そうしたことがあまりになくなったことが、今の大企業のパワーダウンの最大の理由だと私は思っています。

ところでこの研究成果は、11月8日の公開シンポジウムで発表されます。
詳しくはまたお知らせのコーナーで案内しますが、ご関心のある方はご連絡下さい。
参加できるように事務局に頼んでみます。


■KAEエグゼクティブフォーラム開講式
(2004年9月17日)
KAEには大きなプログラムとして、経営道フォーラムとエグゼクティブフォーラムがあります。
後者の開講式で基調講演をさせてもらいました。
この数年、いつもやらせてもらっています。
普通の経営学者やコンサルタントは違った、どちらかといえば現在の企業に批判的な人間が基調講演をするのですから、
聞き手は頭を混乱させるかもしれません。
どのくらい私のメッセージが届くか不安ですが、懲りずに毎年やっています。

今回は冒頭に3つの質問をしました。
○ 仕事は楽しいですか。
○ 最近、仕事以外での新しい出会いはありましたか。
○ 10年後の自分をイメージできますか。

私はこれからの企業人は、ビジョンとコンピタンスとプロデューサビリティが必要だと思っています。
そのためには、経営の勉強よりも、世界を広げることが大切です。
その余裕が持てなければ結局は消費されるだけでしょう。
企業は使うものであって、使われるものではありません。
主客を間違ってはいけません。

今回聞いてくれた26人の方の中から、一人でも視点を変えてくれる人が出るとうれしいと思っています。


■お客様にとっての企業価値
(2004年9月2日)
KAE経営道フォーラムのメンバーが、研究活動の中間報告をしにやってきました。
今回のテーマは「お客様から見た企業の存在意義」です。
これまでに4つの企業を取材してきました。
福田金属粉箔工業、キューピー、タカハタ電子、でん六です。
キューピーはともかく、後の企業はあまり有名ではありませんが、それぞれに素晴らしい経営をしているところだそうです。
メンバーがどういう点に共感したかを聞きました。

総じて言えることは、
・ 事業の内容にこだわりを持っている
・ 拡大戦略ではなく継続戦略を重視している
・ 人が触れ合える人数的に規模を大切にしている
などのようです。
これは、いうまでもなく、商人道に通じた話です。
あるいは米国的経営ではなく欧州的経営です。

その教訓から何を引き出すか、楽しみです。
KAEの発表会は11月8日です。
関心のある方は招待します。


■KAE35期スタート
(2004年5月21日)
KAEの35期が始まりました。
伊東で最初の合宿です。
今回のメンバーはどんな切り口を見つけてくれるでしょうか。
楽しみです。

私の担当するチームには、本など読まずに身体で議論してほしいとお勧めしますが、
いつもみんな本を読みます。
なかには前々回の祝迫悦郎さんのように、「地球的平和の公共哲学」の本まで読んで
くれるようなこともありますので、
それはそれとしてうれしいことです。

今回のメンバーの所属は、
JR東日本、東北電力、日本IBM、JAL、マイクロソフト、キューソー流通システム、それに昭和女子大学の経営幹部の方々です。
このメンバーで、半年間、テーマ研究を行い、その成果を発表するのです。
今回の関心は、「会社の魅力」を多角的に考えてみたいということのようです。
会社の魅力は、経営者、投資家、顧客、社員、地域社会によって評価基準は違います。
それに気づくだけでも面白いでしょう。

私はこの活動のアドバイザーですが、テーマ設定には基本的に関りません。
テーマを見つけるプロセスが一番大事だと思うからです。
どうなっていきますか。
またご報告します。



■KAE経営道フォーラム発表会
(2004年5月10日)
経営道フォーラムの発表会でした。
この活動は、経営者にしっかりした「経営の道とこころ」を持ってもらおうという思いで、
山城章さん(一橋大学名誉教授)と市川覚峯さんが、16年前から始めたものです。
最近はかなり変質しましたが、私もずっと関わってきています。

今日は半年間かけて研究してきたことの成果発表会です。
3つのチームが発表しました。
すべて大企業の経営幹部の自主研究成果です。
この発表を聞いていると、今の大企業の実態がよくわかります。
今回のテーマは、
○人をひきつける会社って何?
○顧客・社会に対し価値創造のできるオンリーワン企業へのシナリオ
○これからの企業が大事にすべきこと

です。

共通しているのは、「いまの企業には魅力がない」という思いかもしれません。
変わらなければいけない。しかし、どう変わればいいのか。
この簡単な問題の解き方を、ほとんどの会社が間違っているような気がします。
日本の会社が元気になるのは、いとも簡単な事なのですが。

それはそれとして、
私の不満は、みんな「言葉」で語っていることです。
これも企業から現場がなくなってきていることの証拠ではないかと思います。

今回は、冒頭の問題提起で、三菱自動車の犯罪とイラク捕虜虐待事件の話をしました。
この二つの事件は、私の中では全く同じ事件です。
今の大企業が陥っている状況にも通じます。

CWSプライベートの5月13日の「極悪非道な人間はどこにいるのか」もお読みください。

状況で人は大きく変わってしまうのです。
組織に使われるとそうなりかねません。
組織は使わなければいけません。
最後はそういうメッセージで、いつも終わります。
つまり、今こそ組織人の生き方が問われているのです。
短い時間ですので、伝わるのは一部の人でしょうが、これを10年間続けています。

今回のわがチームの発表は実に楽しかったです。
示唆にも富んでいました。
ある会社が企業理念をつくるという物語に託して、
企業にとっての理念とは何かを問題提起したのです。
これは多くの人に聞かせたかったです。


■KAE(経営道フォーラム)の合宿
(2004年4月8日)
KAEについては、これまでも報告していますが、
企業の経営幹部の人たちに「経営の道と心」を学んでもらおうという活動です。
もう15年以上つづいていますが、その活動の中心が、経営道フォーラムという企業幹部の方々の研究活動です。
私はそのアドバイザー役ですが、34期の研究成果のまとめの合宿に参加しました。
今期のチームが選んだテーマは「企業理念の本質に迫る」です。
言葉で語る理念などいらない!
というのがみんなの思いです。

ではどんな理念が必要なのか。
その発表は5月10日に発表会があります。
ご関心のある方はぜひ聞きに来てください。
詳しい案内はKAEのホームページを見てください。

■KAE経営道フォーラム34期スタート
(2003年12月4日)
先週発表会のあった経営道フォーラムの新しい期のスタートです。
伊東の合宿に参加しました。
7人の経営幹部の方が、これから半年間、企業理念をテーマに提言に取り組みます。
今回は各社の失敗事例などから「これからの企業経営にとって大切なこと」を考える
ことになりました。
各社の事例が赤裸々に語られることになりそうです。

最近の企業には未来を感じません。
しかし時代は大きな変換期ですから、ビジネスチャンスは山積みのはずです。
どこかで日本企業は経営の心を忘れてしまっています。
今回はどんな発見があるか、楽しみです。


■ KAE経営道フォーラム発表会
(2003年11月28日)
以前予告していた経営道フォーラム33期生の発表会でした。
祝迫の定理をご記憶でしょうか。
   1   n
E=−mc
   X
今日、そのなぞが解けたのです。
題して、「元気が出るビタミン探し」。
面白かったです。
まだ掘り下げ方が少し足りませんが、もう少し掘り下げたら本になります。
どなたか出版社の方、取り上げてくれませんか。

他にも2つのグループが発表しました。
テーマは「環境経営」「やる気」です。
最後にテーブルごとに意見交換をしてもらい、「これからの企業人にとって大切なキーワード」を発表してもらいました。
出て来たのは、「夢」「こころ」「信頼」「謙虚」「外とのつながり」など、時代の変化を感じます。
参加者はほとんどが企業の経営幹部です。

私は、「組織から発想する時代」は終わり、「個人から発想する時代」へと移ったという話を懲りずにまたしました。
おそらくその真意は余り伝わらなかったでしょう。
しかし、そこに気づけば、いまの企業の設計や経営の捉え方が全く間違っていることに気づくはずです。
ビジネスチャンスも山積みです。
しかし、なかなかそうはならないのが大人の世界です。

時代の変わり目は実に面白い時代です。
大企業の人たちも、もっと時代を楽しんでほしいものです。
今回の報告書は山城経営研究所にあります。ご関心のある方はお問い合わせ下さい。


■ KAE「企業理念チーム」ミーティング
(2003年10月23日)
先々週、ご紹介したチームに検討会に参加しました。
遅れて参加しましたが、部屋の周り中にシートが張られているのに驚きました。
議論をまとめてきたシートを、みんなで編集していたのです。
とてもいいまとめ方です。
内容も個性的です。自分たちの言葉で語っています。
私が出る幕はありません。
ちょっとコメントすると、すぐに主旨が伝わり、議論の深さが感じられました。
例の「方程式」の議論も深まっていました。

みなさん、ぜひ発表を聴きに来てください。
11月28日です。
このチームの議論は、もうひと頑張りしてもらって本にしたら面白いと思います。
どこかの出版社で出版してくれませんか。
つまらない経営書を出すよりも、経営の現場にいる人たちの思いをまとめた本をだすのがいいですよ。
最近の編集者は本当の現場を知りませんね。


■ KAE経営道フォーラム
(2003年10月11日)
コムケア選考会終了後、最終電車で房総の富浦に行きました。
東京から2時間もかかりました。
KAEフォーラムのチーム研究の仕上げの合宿をしているのです。

できればこのメンバーにこそ、コムケアに出てほしかったです。
たぶん人生が変わったでしょう? 企業も変わったかもしれません。
残念です。
そういえば、ソーシャルベンチャー開発活動のメンバーも、
この日は竹中ナミさんの講演会が重なったために、参加できませんでした。
これもとても残念でした。
3人の人が参加してくれました。とてもうれしいことです。
社会の実相は現場に人に触れなければわかりません。

翌朝から一緒に議論しました。
昨日までとは一変して、企業の経営の中枢にいる人たちです。
メンバーはNEC,NTTデータ、グローバルフォーカス、日立ビルシステム、日航整備サービス、日立キャピタルの役員や部長です。

会社を元気にするビタミン探しが今回のチームのテーマです。
みんな自分の言葉で議論しているのがいいです。
それに、自らの「生き方」を重ねながらの、本音ベースでの議論です。
参加していて面白いです。
いい議論は、自らをさらけ出すことから始まります。

これまで何回も集まって議論してきています。
その議論の成果の一つが「輝きの方程式」、またの名を「祝迫の定理」です。

   1    
=――mc

   

この方程式を使うと組織は輝くそうです。
この定理の発表会は11月28日にアジュール竹芝で行われます
。ご関心のある方はご連絡ください。
案内は10月末くらいにこのホームページでご案内します。



■ KAE経営道エグゼクティブフォーラム開講式
(2003年9月19日)
経営道フォーラムのことは何回か書きましたが、今日はそのエグゼクティブコースの開講式でした。
開講式では毎年、私が話をさせてもらっています。
私の話は、おそらく企業の人には伝わりにくいと思うのですが(視座が社会にありますので)、頭を混乱させるにはいいかもしれません。
それに最近の企業の人は、
新しい発想には保守的になって来ています。
今回も通じないだろうなと思っていました。
ところが、とてもうれしいことに、反応がだいぶありました。
久しぶりの手応えです。これからが楽しみです。

企業の中だけ見ていては経営の問題点は何も見えてきません。
企業変革を唱えている人ほど、企業内部にばかり目を向けて、これまでの企業の延命を考えています。
日本の経営学者はほぼみんなアマチュアリズムですし、多くの経営者は経営をやる気がありません。
そうした中で、企業の課長層に経営を語ることはむなしい作業かもしれないと最近感じてきたのですが、そうではないかもしれません。

経営とは価値を活かし、価値を創ることです。
企業にいる人たちが、自らの価値に目覚めて、それを素直に活かしていけば、企業は元気になります。
しかし、今の企業はそうなってはいません。
価値の収奪ではないのですが、往々にして経営は暴力的に価値を壊していきます。
その最大の理由は、経営者にホリスティックな視点がないからです。
そうした視点で経営を語る人もほとんどいません。
企業が元気になるのは簡単なことなのですが。
OBM経営者の本気がその鍵です。


■ 経営道フォーラム33期スタート
(2003年5月27日)
経営道フォーラム33期のスタート合宿です。
今回もテーマは「企業理念・経営理念」です。
6人のメンバーで半年研究活動をします。
私の担当チームには、研究というよりも、自分の人生の棚卸の契機にしてもらいたいなといつも思っています。
今回の皆さんは、最初からかなりそうした意識の強い方たちのように感じました。楽しみです。

企業の経営幹部の人たちの意識は間違いなく変わりだしています。
にもかかわらず、企業がなかなか変わらないのがもどかしくてなりません。
どこかで急転するのでしょうが。

ところでこの活動では毎回、メーリングリストで情報交換しているのですが、
今回はなんとチーム用のホームページが作成されました。
これも楽しみな実験です。

■ KAE発表会(2003年5月14日)
経営の本質は「愛」、というのが私の考えです。

経営は術ではなく、道であると言う発想で、
長年、経営幹部の人たちに学びの場を与えてきたのが、経営道フォーラムです。
今日は、その32期生の成果発表会でした。
今期の私のチームは、仕事を楽しく社員が会社を元気にするという仮説に基づいて、活動してきました。
象徴的なのは、自分と会社の関係を考える図が、半年間でどんどん進化していったことです。
誰かに教えられたのではなく、自分たちで世界の枠組みを変えていったのです。
感動的です。最近はこんなことにも涙が出ます。

発表が終了してしばらくは静寂が広がりました。
いろいろな質問や異論が出るだろうと思っていましたが、出ませんでした。
その意味が私には謎でした。現実の企業の現場との乖離があったのでしょうか。
いや、そんなはずはありません。
発表メンバーもみんな同じ企業人であり、このテーマで最初から盛り上がっていました。
長年経営コンサルタントをされている方から、
「こういう発表をぜひ会社のトップに対してしてほしい」という発言がありました。

他にも2チームから発表がありました。
「地ビール事業の提案」と「オープン・ネットワーク経営」です。
こちらは企業の人からも質問がいろいろありました。
失礼ながら、みんな瑣末な質問でした。
今の企業人はいい質問ができなくなっているように思います。
それでは新しい事業など育てられるはずがありません。いや、見つける事もできません。
この現象は実に象徴的でした。

企業経営を語ることは、企業人にとっては自らの生き方を語ることなのです。
そうしないと言葉の羅列で終わりかねません。
言葉ではなく、身体で語る時代になっているのです。

■ KAE経営道フォーラム合宿(2003年4月9日)
企業の経営幹部の研究会のまとめの合宿でした。
私が関わっているチームは「経営理念」をテーマに半年間活動をしてきました。
テーマは「社員が仕事を楽しんでいる会社が元気である」という仮説の検証です。
活動の過程でメンバーの意識がドラマティックに変化してきたようです。
そして行き着いた結論は、社員が人生を楽しむことを大切にする会社が、これからの元気な会社の条件ではないかということです。
会社の現役の部長の皆さんが、本音で行き着いた結論です。
うれしいことです。

この会のことは以前も紹介しましたが、残念ながら、そのとき予告した奥様たちに集まってもらって、企業のことを考える企画は実現しなかったそうです。
奥様たちが「ノー」といったようです。期待していたのですが、まあそうなるでしょうね。

この会の発表会は5月14日です。ご関心のある方は、先着1名さまをご招待します。

2002年3月1日
■企業の経営幹部の方々と意見交換しました

経営道フォーラムという活動があります。企業の経営幹部の方々の研究活動の場です。企業経営にも「道」が必要だという思いから創設された組織で、活動はもう15年以上になります。私は「企業理念・経営理念」というテーマのチームのアドバイザー役をずっとつとめていますが、その間の企業経営幹部の意識や行動の変化は極めて興味深いものがあります。

今日はその30期のメンバーがオフィスにやってきました。今回は、企業とは違った組織活動に触れてみようと言うことで、まちづくり会社やワーカーズコレクティブ組織やNPOなどと意見交換してきています。まだ途中ですが、いろいろと示唆があったようで、楽しみです。

この活動の成果は5月21日に発表会がありますので、関心のある方はご連絡下さい。ご招待できるように事務局に頼みます。またこの活動へのお問い合わせも私にどうぞ。 事務局の堀越さん、この記事を読んだら紹介記事を書き込んでください。

2002年4月11日
○ 経営道フォーラムの合宿

経営道フォーラムは、これからの企業経営のあるべき姿を考える経営幹部の方々の研究活動の場ですが、今回は30期です。
そのまとめの合宿に参加しました。
わたしは毎回、企業理念・経営理念のグループを担当しています。
今回は、少し広い世界に触れようということで、メンバーはNPOやワーカーズコレクティブやコミュニティビジネス、エコマネーなどの活動を取材しました。
企業とは違った世界ですので、いろいろ新しい知見を得たようです。
自分たちの身体を使っての研究活動でしたので、言葉だけではない、とてもいい議論ができました。
成果の発表会は5月21日に椿山荘で行われます。
ご関心のある方は招待いたしますのでご連絡ください。
参加者の話し合いの場もあります。

■ 経営道フォーラム発表会(2002年5月21日)

お知らせでご案内していた経営道フォーラムの第30期の研究成果報告会が東京の椿山荘で行われました。
経営者には道が必要だという、故山城章博士の強い思いで始まった活動です。

私がコーディネーター役をしたチームは『「社会企業」調査を通じて「人は何のために働くか」を問う』というテーマで、NPOやコミュニティビジネス、ワーカーズなどの新しい事業主体をヒアリングしながら、これからの企業に求められる経営理念を考えてきました。
メンバーは、小嶋さん(インフォメーション・テクノロジー・ソリューション)、蘇田さん(NTTドコモ)、高橋さん(日本情報通信)、矢内さん(東洋エクステリア)、酒井さん(日立ビルシステム)の5人です。
知識で考えるのではなく、体験を通して自分の言葉で考えるというのが私のアドバイスなのですが、今回もそうした姿勢で楽しんで?くれました。私も楽しみましたが。
その報告書の結語を紹介します。報告書全文をお読みになりたい方は、まもなくこのホームページに掲載します。

これからの企業は20世紀までのように上からの想いを押し付けるだけでなく、性別、年齢に関わらず個性をぶつけ合い、多様性を活かして、社員一人ひとりの「思い」を全体の「思い」として融合・調和させていくべきであること、そして企業を「感動」の場とすること。これがわれわれの結論である。

■ 経営道フォーラム第31期スタート(2002年5月30日)

企業の経営幹部の方々の研究会のアドバイザーをしています。
山城経営研究所の経営道フォーラムのプログラムです。
もう16年目です。毎年半年単位でメンバーが変わります。
今日はその31期のスタートの合宿でした。
私が毎年担当するテーマは「企業理念・経営理念」です。
理念というと難しそうですが、要するに「会社ってなんだろう」ということをちょっと立ち止まって考えてもらおうということです。
会社のあり方を考えることは、実は自分の生き方を考えることなのです。

今回のメンバーは6人です。
偶然ですが、経理関係の人が多いのです。
OBM研究会で岡田さんが、経理の仕事はどういう意味があるのだろうかと非常に理念的な問題提起をされたことは以前、報告しましたが(いや書き込んでないかもしれませんね)、経理関係の経営幹部の方々が、理念に関心をお持ちになってきたことに、実に象徴的な意味を感じます。
いろいろ興味ある思いが交換されました。
活動成果の発表会は半年後です。
ご期待ください。またご案内します。

■ 経営道エグゼクティブフォーラム(2002年9月10日)
 企業の経営幹部に「経営の道」をしっかりと身につけてもらおうという思いで、経営学者の山城章さんが15年ほど前に始めたKAE経営道フォーラムというのがあります。そこから多くの企業の経営者が輩出しています。
 私は第1期から関わらせていただいていますが、実に面白い体験をしてきました。企業人の企業との距離の変化、企業人の意識の変化(たとえば電力会社の原発への意識の柔軟化など)、業界別の栄枯盛衰、企業の人材観。個別企業に関しても、いくつか感ずることがありました。雪印事件も金融会社や商社の変質も予感できました。社員とつきあえば、企業の実態はかなりわかります。
 そのフォーラムの一つが、課長クラスを対象にしたエグゼクティブフォーラムです。1年間の自主研究活動で、経営に関するテーマを研究し、発表会をやるのです。その開講式で毎回、基調講演をさせてもらいます。最近は「これからの企業人のありかた」をテーマにアジテーションをしています。カルチャーショックを与え、発想を壊すことが目的ですが、今回は最近の企業のあまりのひどさへの腹立たしさもあって、少し勢いが出すぎてしまったかもしれません。質疑応答もちょっと過激にやってしまいました。
 私からのメッセージは、企業人の生き方が企業のあり方を決める時代であることを認識して自分の生き方を考えなおしてほしいということです。言い換えれば、「あなたは本当に自分で納得できる生き方をしていますか」という問いかけです。どのくらいの人に伝わったでしょうか。彼らの反応を楽しみにしています。

■ KAE合宿(2002年10月10日)
企業の経営幹部が自分たちでテーマ研究する「経営道フォーラム」という活動が15年以上続いています。メンバーは半年単位で変わります。その1部会に関わらせていただいています。テーマは「企業理念」です。この部会に参加する人たちから、実によく企業の動きが見えてきます。7、8年前に大きな変化がありましたが、いままた大きな変化を感じます。
今期のグループは「個を生かす経営」というテーマを選びました。何か10年前のテーマを感じさせますが、パラダイムシフトして発想すると面白いテーマです。発表会は11月21日です。ご関心のある方は招待しますので、ご連絡下さい。

チームの一人が、今回の体験で「目からうろこが落ちた」といいました。うれしいことです。そして、この5人の皆さんは、この経験をそれぞれの企業で実現に向けて動き出そうとしています。
そうですよね、チームのみなさん。
企業は間違いなく変わっていきます。

■ 経営道フォーラム発表シンポジウム(2002年11月21日)
 これもお知らせでご案内していた経営道フォーラムの発表会です。企業の経営幹部が半年間研究してきたことを発表するのです。私がアドバイザーになったチームは「個を活かす経営」をテーマにしました。
  個を活かす経営は15年ほど前に経済同友会が提唱していたことがありますが、その中心になった小林陽太郎さんが経営する富士ゼロックス以外ではほとんど取り組まれていないように思います。言葉だけが先行している感があります。そのあたりを今回のチームはうまく掘り下げてくれました。

 企業の人たちの研修や企業変革のプロジェクトに私も時々関わっていますが、実体の伴わない言葉の横行には辟易します。現場から遊離した知識の議論では実体は何も変わりません。現場に関わる人たちの知恵と力がのびのびと発揮できるような状況を創ってやることが、問題解決の一番の早道ではないかと私は考えています。その意味では、子育ても企業変革もまちづくりも、みんな同じです。

 発表の後、参加者でテーブルディスカッションをしてもらいましたが、長らく米国で仕事をしていた方から面白い話がありました。日本に久しぶりに帰ってきたら、企業の人がみんな元気がないのが気になり、先輩の海外からの帰国者に話したところ、「自分もそう思ったが、半年もたつと気にならなくなった」といわれたということです。実に示唆に富むお話です。残念ながら、最近の企業の人は元気がありません。NPOの人とは対照的です。
 最後に私からは生き方を変える事がいかに簡単かを話しました。朝起きる時間を変えるだけでいいのです。嘘だと思ったら、明日、朝1時間早く起きてみて下さい。きっといつもとは違う1日になります。1週間続けると新しい物語が始まります。1年続けると人生が変わります。会社も同じです。問題はそれが続けられるかどうかです。

■KAEエグゼクティブフォーラムのメンバーとのミーティング(2002年12月9日)
 経営道エグゼクティブフォーラムについては以前紹介しましたが(2002年9月10日)、そこで「個人と組織の関係」のテーマに取り組んでいるチームの、3人がやってきました。事務局の堀越さんも一緒です。
 3人とは、アサヒ飲料の杉中宏樹さん、日立ビルシステムの和田富男さん、そして富士ゼロックスの姫野直美さん。時代が変わる中で、これからの社員、そして社員と会社の関係はどうあるべきかが、皆さんの関心事です。3時間を越える意見交換をしました。
 チームでは、議論のキーワードとして、「自立」と「自律」の違いや意義をかなり議論してきたようです。結論は「自律型社員」がいま求められている、しかしこれからはどうなのか、ということのようです。
 私は「自律」にはほとんど価値を置いていない人間ですので(自立者にとっては当然のことですし、自律は目的概念ではないと考えているからです)、なかなか議論は難しかったのですが、久しぶりに刺激的な議論を楽しませてもらいました。
 私の視点は、つねに「自分の問題と重ねて考える」ということです。社員と会社の関係を抽象的に考えるほど虚しいことはありません。それは個人個人によって違うからです。むしろそうした個人個人の様々な事情や都合を集めていくと、問題や方向が見えてくるはずです。今回もそういう視点で話していたら、それぞれから生身の人間の話が少しずつ出てきました。それがとても面白かったです。
 このチームの成果発表は5月に予定されています。また案内をしますが、きっと面白い成果が出てくるはずです。ご関心のある方はご一報ください。

■自然浴七福神
 KAEエグゼクティブフォーラムのシニア版に、経営道フォーラムがあります。私は、そこのアドバイザーなのです。エグゼクティブフォーラムでは、最初に問題提起の話をするだけなのです。
 さて、その経営道フォーラムですが、そこの27期生が終了後3年もたつのに、積極的な活動を継続しています。そして毎年、活動報告書を発行しています。なんと150ページもある報告書です。すごいエネルギーです。いつぞやは日本の企業人は元気がないという話を紹介しましたが、元気な企業人もいるのです。
 事務局はキャノンの小野田繁義さんですね、きっと。こういう人がいないと、こうした活動はなかなか続きません。小野田さん、ご苦労様です。
 私からのEメールも少し載っていました。いつも報告書が送られてきてから、もう少しちゃんとしたメールを出しておけばよかったと思うのですが、ついつい忘れてしまいます。
 こうした活動が続いていくことはとてもうれしいですね。メンバーも少しずつ増えているようです。みなさん、また湯島に遊びに来て下さい。

■ 経営道フォーラム32期スタート(2002年11月27日)
先週、発表会を行った経営道フォーラムの32期がスタートしました。
伊東でそのキックオフの合宿がありました。
私の担当は「企業理念・経営理念」です。
このテーマは、バブル週末期に人気がありましたが、最近はあまり人気のないテーマでした。
理念などはあまり約に立ちそうもないと、みんな思いがちですから。
ところが、今期は第一志望として理念のチームを選んだ人が定員以上だったとのことです。
こうしたところにも時代の気分を感じます。

私は「企業の理念を考えるということは、自らの生き方を考えること」だといい続けています。
企業は、そこに関わるメンバーの意識と行動の集積なのです。
個人から切り離された組織実体などあるはずがないのです。
それなのに、みんな何か「企業」という人格があるような共同幻想を抱いているのです。
そして「企業」を言い訳に使ってしまうこともよく見かけます。
皆さんはどうでしょうか。

企業変革が時代のキーワードですが、その前に自らの生き方を問い直す必要があるように思います。
そんなことを、今日、メンバーのみなさんにお話しました。
そして、企業の経営幹部である人たちがどんなに知恵を出し合ったところで限界がある。
むしろみなさんのパートナーたちに集まってもらって、夫を通して感じている企業像を語り合ってもらい、それをみんなで聞いたらどうかと提案しました。
この提案は5年以上言い続けてきた事ですが、 それが今期は実現しそうです。
実に楽しみです。
皆さんも関心があるでしょう。
発表会は来年の5月頃です。
またご案内しますので、ぜひご参加下さい。