■「地球的平和の公共哲学」
公共哲学ネットワーク編 東大出版会 3400円

ブックのコーナーではご紹介しませんでしたが、
週間記録などで紹介した「非戦の哲学」(ちくま新書)の著者の小林正弥さんたちの公共哲学ネットワークが編纂した最新書です。
ちょっと高価ですが、まずはぜひ「購入」してほしいと思っています。その理由は下記します。

その前に内容ですが、出版社の案内では次のようになっています。
詳しくは出版社の案内をご覧ください。リンクしています。

9・11以後の世界をいかに捉えるか。
文明の衝突論の危険に抗し、デモクラシーの帝国アメリカを批判し、
文明間対話を可能とする平和の公共哲学をいかに構築すべきか。
リアルな政治認識をふまえて
多様な文化の相互理解と地球的平和の実現に向けての
第一線研究者による討議の記録。

このコーナーでは必ず私が読んでから紹介させていただいていますが、
今回は例外で、私もこれから読むところです。
しかし、小林さんが公共哲学ネットワークのメーリングリストで、次のように書かれていましたので、
読む前に紹介させてもらうことにしました。
ちょっと長いのですが、ぜひ読んでいただきたく、引用させてもらいました。

書籍は初めの1ヶ月の売れ行きによってその後本棚に残るかどうかが決まるそうです。
ですから、購入される方は、是非早くご購入して頂ければ幸いです。
このような平和志向の本が売れて本棚に多く残るということは、長期的に平和への風潮を作ることに役立つでしょう。
(中略)
まずは、この本が、より多くの人に読まれ、そして地球的平和問題への関心を高め理解を深めていくことが、
迂遠なようで、実は大きな効果を持つのではないか、と思います。
来月には、姉妹書『戦争批判の公共哲学――「反テロ」世界戦争における法と政治』(勁草書房)が刊行され、
現在その最終作業に大童です。
例えば、この2冊が学術書としては異例の売れ行きを示し、
一種の社会現象としてマスメディアなどに取り上げられればどうでしょうか。
おそらく、論壇や社会の雰囲気が変わるだろうと思います。
研究者以外の方には、このような本を読むのは、あまり習慣にはなっていないかもしれません。
しかし、この本は難解ではなく、会議の記録の性格を持っていますから、
前提の知識なしにも十分に読むことができるでしょう。
あるいは、以下の会に来て頂ければ、私達で説明することもできます。
(注:公共哲学ネットワークの会です。ここのホームページもぜひ訪問してください)
『地球的平和の公共哲学』を買うこと、そして読むことは、それ自体平和への努力だと思います。
街頭でデモをする場合にしても、その行動を支える知識や思想がある場合には、
平和運動がより力強いものになると思います。
ですから、研究者の方はもとより、平和を求める公共的市民の方々にも、是非お読み頂き、
周囲の方々にもお勧め頂ければ幸いです。

メールの前文は別項に掲載しました。

ちなみに、小林さんはデモにも参加されています。
行動の人です。
まだ私は面識はありませんが、「非戦の哲学」を読んで感激しました。この本もぜひお読みください。