■日本構想学会

宮城大学の半田教授はとても不思議な人です。

私は長らく、彼は宇宙人に違いないと考えていました。信州大学に行くことになった時、その理由を聞いたら「星が見たくなった」と言ったからです。その後の付き合いでますますその感を強めています。残念ながらどの星から来たのかは定かではありません。

半田さんは学生たちと実に見事な関係を構築します。私も時々、その仲間に入れてもらいます。実に気分がよくて、まあ適度にやる気があって、結構、反骨的だったり、正統的だったりする若者たちです。すごいのは、みんな、それぞれのテーマを育てていることです。このネットワークにもまもなく登場してくるはずです。

日本構想学会は、半田さんとその若い仲間たちが育てている活動の一つです。

詳しくはホームページを見てもらえるとして、結論を言えば、とても面白い学会です。入らない手はありません。ホームページには難しいことが書いていますが、要するに知を楽しもう、そして時空間を超えて、それぞれの構想を紡ぎあおうという「大構想」への試みです。したがって、実に多彩な人が集まっています。

一度、ホームページを見てください。
http://www.jssi.jp/

この紹介文を半田さんに確認してもらったら、こんなメッセージが届きました。

佐藤さん、ありがとうございます。 佐藤さんをはじめ、わたしはたくさんのすばらしい人たちに支えられていて、いつも幸せを感じています。

構想ということば、その概念はよく眼にしますが、それにしてはその意味は十分に研究されていないように思います。個人的にはそれはイマジネーションとか、計画といったものとは別のものであるように感じています。では、なにか。それを求めて、多様な世界の構想を交わし見て、論じあい、よりよき構想を形成し、研究する場があってよいはずだ。そんな思いでつくった学会です。

はたして意気あるすばらしき知が集成しつつあります。

星の子 半田智久

■日本構想学会2004年度大会(2004年12月11日)
東京国際フォーラムで日本構想学会の2004年度大会が開催されました。
今日はその初日です。
2つのラウンドテーブルセッションとシュンポシオン、そしてその合間に会員総会です。

ラウンドテーブルセッションは
「ケアの理論と実践から見えてきた新たなるケア教育への構想」と
「グレート・ブックス・セミナーの実践活動報告」でした。
いずれも問題提起を受けて、参加者みんなで話し合うスタイルです。
時間は2時間ですが、あっという間の2時間でした。

ケアのセッションは、長野県看護大学の江藤裕之さんの企画で、
4人の発題者(長野看護大学の志村ゆずさん、松崎緑さん、岩崎朗子さん、吉田聡子さん)から研究と実践の両面からの話がありました。
とても共感できる話でした。
我田引水的にいえば、私が取り組んでいるコムケアの考えにぴったりと重なっているような気がして、元気付けられました。
コムケア仲間にもぜひ聞いてほしかったです。

グレート・ブックスのセッションは、このホームページでも時々案内させていただいたことのある原田広幸さん(アゴラ・ソクラティカ)の企画のもとに、
実践されている後藤英司さん(横浜市立大学)と木村浩則さん(熊本大学)が報告されました。
これも実に刺激的でした。
後藤さんは横浜市立図書館も舞台にしながらの展開ですが、
新しい図書館の役割としてはとても魅力的なプログラムのように思います。
しかし、実際にはなかなか難しく、横浜以外にはなかなか広まっていないようです。

いずれのセッションでも私は発言しましたが、実は意味不明の事を発言したような気がします。
その後のシュンポシオンでもそうでしたが、なぜか話していて、内容がうまくまとまらないのです。
今日は脳の一部が詰まっているような気がしました。
これってちょっと赤信号ですね。この2週間、ちょっと思考力がおかしいのです。
そういえば、最近のブログも支離滅裂な気もします。
皆さん読まれていて、どうでしょうか。脳ドックに早く行ったほうがよさそうですね。

まあ、そんなわけで内容報告は止めます。いずれ学会のホームページで報告されるでしょう。

会員総会では会員状況や事業収支報告がありました。
私は監事なのですが、この学会はまだ会員が少ないので、運営はかなり大変です。
会員を広げていこうという姿勢よりも、
参加者がだれでもが顔を見ながら本音で話し合っていく文化を大事にしていこうという姿勢が強いのです。
学会と称していますが、いわゆる学会とは違い自由闊達な文化にあふれています。
自分の思い(構想)をぶつけあう場としてはとても刺激的です。
みなさん、入会されませんか。
ホームページを見てもなにやら難しそうですが、実際は気楽です。
関心のある人はご連絡下さい。
10人が私の勧誘目標です。ご連絡をお待ちします。



■ 日本構想学会カンファレンスでの最学構想議論
(2004年10月16日)
日本構想学会のカンファレンスが開催されました。
最初のセッションは、真の学びの場づくりに取り組む最学構想創業研究会の公開議論でした。
提案者は半田智久さん。とても示唆に富む構想の発表がありました。
内容は構想学会のホームページに掲載されていると思いますので、例によって省略ですが、刺激的な議論が行われました。
久しぶりに、中西元男さん(パオス)、中馬淳さん(博報堂)、加藤誠也さん(ダイナアーツ)とも議論できましたし、宮城大学の学生諸君とも話しあえました。
関西大学の水野由多加さんにも初めてお会いできました。

教育と学びとは全く次元の異なるものだと、私は思っています。
教育は組織起点の発想であり、そのために価値尺度は一つですが、
学びは個人起点の発想であり、評価基準は主観的基準しかありません。
パラダイムが全く違うのです。その立脚点に立てば、実現は簡単ですが、
時間軸はかなり長くなり、その形成プロセスこそが学びの場になるということになりますから、
構想自体の意味合いがダイナミックなものになります。
しかし、どうもこうした私の発想はなかなか伝わらないのが残念です。

この構想は半田さんのライフワークです。
今回の議論を踏まえて、構想はきっと進化するでしょう。
いつも私はアンチテーゼばかり出していますが、今日はいろいろと示唆をもらいました。
面白い展開ができそうな気がしてきました。
しかし、どうも半田構想と外れていくような不安もあります。
半田さんとまた議論したいと思います。

 



■宮城大学半田智久さん
(2002年6月6日)

半田さんは何回か登場していますが、日本構想学会の構想者であり、宮城大学事業構想学部の構想者でもあります。
今回はは予告的な紹介です。

グレートブックセミナーを東京でやることを計画しているということです。
これについてはすでにご案内したことがありますが(別項ご参照)、人類の財産である良書(グレートブック)を読む集まりです。
読書会ではありません。私が考えている、知のグラウンドワークのひとつに近いかもしれません。
すでに仙台で実施していますが、それを首都圏で行うということです。
とりあえず6回シリーズで、これに参加すれば6冊の古典を消化できる仕組みができています。
半田さんが目指しているのは、
学びの場です。有料会員制です。
私は参加します。どうでしょうか。参加されませんか。
今であれば、何人かの参加者枠を半田さんからもらっています。

ご関心のある方はご連絡下さい。

もう少し詳しい情報を提供します。

*CWSフォーラムに半田さんが投稿していますので、ご覧下さい。(6月10日追記)

■日本構想学会年次大会(2002年12月14日〜15日)
日本構想学会は、これまでの学会とは違います。
新しい公共空間を目指した試みです。まさにこのホームページと目指す方向は同じです。
主宰者は半田智久さんです。
半田さんと私とは、価値観において正反対のところと全く同じところを奇妙に共有しています。
半田さんと話していると、コミュニケーションの断絶を感ずることが多いのですが、その底でつながりも感じるのです。
半田さんは構想学会を「響創の公共空間」にしたいと考えています。
私は「響創」というような着飾った言葉が嫌いなのですが、私が以前から使っていた「共創」と、なぜか発音は同じです。
人との付き合い方も、私とは全く違うようで同じなのです。
説明できませんが、そう思います。

まあ、そんなことはともかく、2日間にわたる日本構想学会の大会に参加しました。
1日目はフルに、2日目は用事とトラブルで、少しだけでしたが。
私はご案内していた通り、初日の夜、ラウンドテーブルセッションを主宰しました。
テーマは「コモンズ社会に向けての新無尽講構想」です。
話題提供者として、小倉美恵子(農的暮らしを考える研究会)、佐藤和美(環境コンサルタント)、西村美和(産業能率大学・CWSコモンズ村民)、渡辺清(大阪大学大学院社会人学生)の4人の友人に参加してもらいました。

内容の報告は学会のホームページでご覧下さい。ここでは極めて主観的な感想を書きます。

長くなったので、項目だけを書きます。内容は次をクリックしてください。
構想学会大会2002で気づいた事

○新しい学びの場への構想
新しい学びの場の構想が二つ発表されました。
○構想日本のラウンドテーブル
構想日本は官の立場でしたが、田中康夫さんは民の立場でした。
○コモンズ社会に向けての新無尽講構想
私が主催したラウンドテーブルではマネーと寄付が話題になりました。
○NPOの位置づけ
NPOを行政や企業の下部システムと捉えている目線の高さが気になりました。
○北関東統合医療研究会報告からの思い付
医療制度のパラダイムシフトの3つの方向を素人なりに考えて見ました。
○学び合いの大切さ
学び合う事の難しさを痛感しました。私も反省です。
○質問の仕方の大切さ
教育で一番大切なのは、質問の仕方を学ばせることだなと思いました。

■「コモンズ社会を目指す新無尽講構想」ラウンドテーブルディスカッション

すでにご案内している日本構想学会(この下にも掲載)の一つのプログラムとして、私が主宰する2時間のテーブルディスカッションを行います。私の前の二つのセッションも面白そうです。
「自治体の現場から国と地方のあり方を見直す」と「 非営利活動を育む社会のつくりかた」です。前者には長野県知事の田中康夫さんも参加します。
私のセッションには、小倉美恵子さん(農的暮らしを考える研究会)、佐藤和美(環境と社会を憂えるノマド)、西村美和(CWSコモンズ村教授)、渡辺清(NPOパワーサポーター)が応援にきてくれます。但し、どう展開するかは今のところ全く予想もつきません。大丈夫でしょうか。心配ですね。ですから皆さんもぜひ応援に来て下さい。
終わったあと、カクテルパーティもあるようです。
詳しくは次項の案内から、日本構想学会のホームページをチェックして下さい。
参加費や場所などが案内されています。

日本構想学会2002年度大会

日本構想学会の2002年度大会が下記の通り開催されます。
この会は、一般的な学会の大会とはかなり違い、全員参加型の議論の場があります。
参加者も多彩です。 学会の大会嫌いの私も楽しめます。

私も「コモンズ社会を目指す新無尽講構想」をテーマにした、ラウンドテーブルセッションを持たせてもらいます。
ぜひご参加下さい。

○日時 2002年12月14日(土)、15日(日)
○場所 東京国際フォーラム(有楽町)

詳しくは日本構想学会のホームページをご覧下さい。

■ 宮城大学の半田研究室の来訪(2002年12月13日)
明日から構想学会の大会ですが、そのために上京している半田研究室のメンバーがやってきました。1時間くらいと言っていたのに、激論になってしまいました。半田さんは、学生たちを色々なところに連れていって、激論させているのです。感服の至りです。
 私もついついそれに乗ってしまい、気がついたら8時を過ぎていました。
 来訪者は半田さんはもちろんですが、大村哲さん、荒川創さん、加藤裕也さん、猪岡武蔵さんの5人です。荒川さんは以前紹介しましたが、食にこだわったNPOを立ちあげていますが、その近況を聞きました。そのあたりまでは私のペースだったのですが、次第に彼らペースになり、NPOと企業の違いとか、寄付と税制とか、色々な議論に発展しました。疲れてしまい、何を議論したか思い出せませんが、こうした議論をどんどんできる場を作ることは教師のとても重要な課題だなと改めて思いました。
 しかし今週は、実に議論をする機会が多かったです。明日もまた学会での議論があります。

 

■平和を考えるラウンドテーブルセッション(2003年12月7日)
  日本構想学会大会の一つのセッションです。このセッションだけの参加も可能です。
  大会全体の案内は日本構想学会のホームページをご覧下さい。
  このセッションの後に、 「医療制度改革の本質は何か?
もあります。

○テーマ: 「獲得する平和」の構想
私たち日本人がこれまで語ってきた平和は、結局は「希望する平和」でしかなかったのではないかと思います。
そして、平和憲法も、結局は「希望する平和」を謳ったものでしかなかったのかもしれません。
となると、「希望する平和」から「獲得する平和」への転換が必要です。
「獲得する平和」の構想――それは、たぶん私たち日本人が創り出していくより仕方ないでしょう。
 

企画者 川本 兼(神奈川県立小田原高等学校)
発題者 石井智香(早稲田大学社会科学部)
     河田光輔(中央学院大学法学部)
     佐藤 修(株式会社コンセプトワークショップ)
     水野琢磨(國學院大學史学科)
     米澤絵美(明治大学政治経済学部)
 
○日時:12月7日午後1時〜3時
○場所:東京国際フォーラム(有楽町)ガラス棟4階
○参加費:このセッションだけの場合は2000円です。大会全体は11000円です。

*なお、このセッションの発題者は、私を除くとすべて大学生です。彼らが主役で、私はまあ、アシスタントです。
 

■日本構想学会2003年度大会(2003年12月7日)

今年もまた、東京国際フォーラムでの開催です。
普通の学会とはかなり違い、開かれた議論中心の集まりですので、好奇心と議論好きな方には実に刺激的な集まりです。
午前中は発表が中心、午後はじっくりと話し合うラウンドテーブルです。
現在、発表者や企画者を公募中です。
詳しくは学会のホームページをご覧下さい。
これまでの記録も公開されています。私も毎年、ラウンドテーブルを主宰しています。

■日時  2003年12月6日〜7日
■会場  東京国際フォーラム(有楽町)ガラス棟4階

■詳しくはホームページをご覧下さい。
日本構想学会 
http://www.jssi.jp/

■ 日本構想学会2003年度大会(2003年12月7日)
東京国際フォーラムで6〜7日にわたり、日本構想学会の大会が開催されました。
昨日は新潟にいたため、今年は今日だけの参加になりました。
午前中に総会とクリエイティブワークショップが開催されました。

この学会は、新しい学びの場を目指して、宮城大学の半田さんたちが育ててきた学会ですが、
なかなか活動の輪が広がりません。
だんだんパワーダウンしてきているような気もします。
とても残念です。

そこで今回は「構想学会を構想する」というワークショップが行われました。
昨日の水辺の会の熱気を体験した直後だったためか、生きた議論が広がらないのがとても気になりました。
私自身は、そうした原因はすべて「組織原理」に起因すると思っています。

個人起点の場をつくれば組織は生き生きしてきます
それをプロデュースできるかどうかです。
まだまだみんな、これまでの枠組みで考えています、
言葉の呪縛から抜け出られないのです。

会員を増やすことを重点課題にしたらどうかと思っています。
構想を語り合う場、さまざまな構想に出会える場に関心のある方はぜひご連絡下さい。
「構想学」研究会も検討したらどうかと半田さんに提案しました。
これにも関心のある方がいたらご連絡下さい。

 

■ 「『獲得する平和』の構想」ラウンドテーブルセッション(2003年12月7日)
構想学会で今年は私は何も企画参加しなかったのですが、
川本兼さんの平和辻説法活動の場にしたらどうかと思い、
川本さんに案内したところ、川本さんが平和のセッションを企画してくれました。
そのセッションの進行役を引き受けました。

ゲストは4人の学生です。
我孫子市で地域通貨で健闘してくれた河田光輔さんも、その一人です。
他に川本さんの教え子だった大学生が3人参加してくれました。
このセッションは、平和を生活用語で語りたいと思っていたのですが、
余りに大きなテーマで焦点が絞り込めず、その上、私の司会が不適切で、議論が盛り上がりませんでした。
参加者の皆さん、すみません。
しかし、これは川本さんの活動のスタートです。

川本さんの提案のポイントは二つありました。
まずは、平和権を基本的人権として人類の共通の財産にすること。
その実現に向けて、個人一人ひとりが行動のプログラミングをすることです。
これに関してはかなり厳しい指摘がありました。
基本的人権にすることの意味についての疑義が出されましたが、
これに関しては残念ながらまだ川本さんからは明確な回答がありませんでした。
まだまだ川本理論は試練にあっていない、自己理論なのかもしれません。
これからどう育てていくかが課題です。

戦争に荷担するか、戦争はこれからもなくならないか、という二つの質問を参加者に聞きたいという指摘に合わせて、全員に回答してもらいました。
質問として極めて不完全な問いですが、全員にコメントしてもらいました(これが私の失敗でした)。
これから戦争はなくなると思うという人が3人いました。
後の20人くらいはなくならないと考えていました。
私には興味深かったです。

問題は「戦争」とか「平和」が明確な定義無しで語られていることです。
私は国家の平和と個人の平和は、同じ平和という言葉を使いながら全く意味が違うと思っています。
そのことに議論を持って行きたかったのですが、完全に失敗しました。
平和の問題を議論するのは難しいです。

このセッションはいつか是非ともまた、名誉回復のセッションをしたいと思います。
年明け後に、平和を考えるセッションを開催する予定です。
また武田文彦の憲法談義でも、平和の問題は扱います。

わざわざ参加してくださった、今成さん、渕野さん、神田さんにも感謝します。

 

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