自殺ストップ!自殺多発現場からの緊急集会の報告
(2009年4月25日開催)
案内文

とてもいい会になりました。
定員を上回る60人近い人が参加してくれました。
今回の集会は、コムケアの主催ではありません。
東尋坊の茂さんなど、自殺多発現場での自殺防止活動実践者のみなさんを中心とした実行委員会の主催ですが、私もそこに参加させてもらったのです。


私が一番うれしかったのは、テーマの重さにもかかわらず、とても「コムケア的」になったことです。
つまりいろんな人が集まり、しかもみんな現場に立脚して、それぞれの当事者目線で、心を開いた話し合いが実現したと思います。
会の終了後、某新聞社の論説委員の人がやってきて、このテーマへの取り組みのイメージが変わった、新しい風を感じました、と言ってくれました。
実にうれしいコメントでした。

会は、まず4つの自殺多発現場からの報告から始まりました。
東尋坊と青木が原樹海は有名ですが、それに加えて、南紀白浜の三段壁。そして京都の天ヶ瀬ダムです。
実際に自殺防止活動に取り組んでいる人からの報告は実に生き生きしていて、迫力がありました。
行政との関わり方も、微妙に違うのですが、いずれにも大きな示唆が含まれていました。

行政の方も参加してくださいましたが、三段壁がある白浜町の町長も参加され、みんなと一緒になって話し合いに参加し、発言もしました。
だれであろうと同じ目線で話し合うコムケアのスタイルはとてもいいです。

話し合いには、実に多彩な人が参加しました。
自殺による臨死状態から生還した人、自殺一歩手前までいった現在も重篤なうつ患者、自殺しようとして途中で引き返した元やくざの人など、いつものコムケアの集まりのように、実にさまざまな人がきちんと居場所を持って発言してくれました。
しかも話しているうちに、社会から「人のつながり」がなくなってきたことが問題だ、もっとみんなが声を掛け合うような社会にならないといけないというような話にもなり、なんだかコムケアフォーラムのようになったのもうれしくて、私は場もわきまえずに、ついついコムケア活動の話までしてしまいました。

取材も多く、3つのキーテレビ局を始め、新聞社も各社来てくれました。
またルポライター的な人も数名来てくれ、情報発信という意味ではとてもよかったです。
共同通信社の方が全国配信してくれたので、翌日の地方紙にはかなり掲載されました。

この集会の目的は、さまざまな人が参加して「自殺のない社会づくりネットワーク」の設立準備会をスタートさせることでしたが、順調にスタートできたわけです。
これから半年かけて、その仕組みを検討し、準備活動に取り組み、10月には正式にネットワークを発足させる公開サミット会議を開催する予定です。
参加者からなぜ今回ネットワークを発足させずに半月もかけるのかと訊かれましたが、時間をかけてみんなで考えながらつくりこんでいくのがコムケア方式ですので、2段階方式にさせてもらったわけです。

ネットワーク設立準備会は代表が東尋坊の茂さん、事務局長が福山さん(ライフリンク)です。
私は正直、この会の開催でお別れしたかったのですが、
事の成り行き上、そうはいかずに少なくとも秋の正式発足まではスタッフとして事務方の一翼を担うことにしました。
しかし、思った以上に、コムケア的に展開できそうなので、それもまた責務かなと自分を元気づけています。はい。

本音で安心して話せてよかったと感想を言ってくれた参加者が何人かいました。
コムケアの集まりの良さは、そこで何でも話せることではないかと私は思っていますが、いまの社会にないのは、そうした本音で安心して話し合える場所です。
しかも同じような活動に取り組む人たちだけでなく、さまざまな人たちが同じ目線で、お互いにケアマインド(共感)をもちながら自由に話し合える場所です。
こうした場をもっともっと広げていきたいものです。

今回発足するネットワークは、自殺を特殊な問題と考えずに、私たちの生き方につながる問題として、誰にも開かれたネットワークをめざします。
ぜひ皆さんにも参加してほしいと思います。

ネットワーク設立準備会のたたき台も掲載していますので、お読みいただき、参加したくなったら事務局までメールください。
参加の仕方はいろいろあります。
汗、知恵、お金、場所の提供、ただの参加、周りの人にこの活動を話すこと、など、何でもいいのです。
正直に言えば、まだ事務局体制も未整備なので当面は私が対応しますが、事務局を手伝ってもいいという方がいたら、ぜひご連絡ください。
私にはそれが一番うれしいです。

いささか気楽過ぎる報告になりました。
いささか気楽過ぎる報告になりました。
なお当日配布した報告書(30頁を超えます)もなかなかいい資料ですので、
PDFでこのサイトに掲載しました。
緊急集会配布資料

(報告:コムケアセンター事務局長佐藤修)