■メッセージ9:素朴な疑問〔2002/09/21〕

相変わらず時間がとれずに、なかなかメッセージは書けませんが、最近、疑問に思うことばかりなので、とりあえず、今回は素朴な疑問を投げかけさせてもらおうと思います。中途半端な文章になるでしょうから、顰蹙をかいかねませんが。

まずは日朝国交回復。なぜ、今の北朝鮮と国交を回復しなければならないのでしょうか。それがわかりません。
たとえば、誘拐殺人グループがあるとします。 そのグループは、最近、経済的に貧窮しており、放っておいたらグループが破綻するらしいとします。そうだからこそ、誘拐殺人を犯したのですが、誘拐された人たちを統括するグループのリーダーがそのグループを救うために支援しようとするでしょうか。

いじめっ子に押さえ込まれている子ども集団があるとします。仲間から離れようとすると、リンチにあってしまうとします。ボスは弱いものがたくさんいないと、いい目には合えないので仲間を減らしたくないのです。でもいじめるのです。しかしいじめられっ子も限界に来ています。そこでボスは不安になり、自分のパワーを高めるために外部に応援を頼みました。このまま行くと、自分の支配体制、つまりいじめの構造が維持できないから、応援してくれというのです。誰が応援するでしょうか。そして、もし応援するとしたら、折角立ち上がろうとしているいじめられっ子は、嬉しいでしょうか。また地獄の生活が続くのです。

暴力的な隣人が住んでいるとします。最近、何か物騒な道具を買い込んで近隣を脅しているのです。このまま放置して置いたらどうなるか、しかし、警察に通報してもなかなか動いてくれません。まあ、普通はそんなことはないはずですが、現実にはよくあることです。これ以上、脅しがエスカレートしないように、ご機嫌を取ろうと誰かが動き出したとします。それで暴力はおさまるでしょうか。勢いづくことはないでしょうか。ましてや武器まで供与することにでもなれば。

あんまりいい例ではなかったのですが、こうしたことが、当事者が個人や仲間集団ではなく、国家になると公然と行われ、誰もおかしいと思わないのです。国交正常化はいいことだとなるのです。でも、その国家って何でしょうか。大切なのは国家ではなく、人々の生活ではないでしょうか。

私は戦争には荷担したくはないですし、 構造的暴力行為にも荷担したくはないのですが、それは難しいことです。
私の税金の一部がアフガンを攻撃し、人々を苦しめている体制の維持に役立っていると考えるのは辛いことです。

いや、もっと辛いのは、北朝鮮の体制と日本との体制の共通点が今回また見えたからです。
北朝鮮の最大の問題は政府が嘘をついていることだと私は思っています。
みんなの国家であれば、透明性がなければいけません。
嘘をつくのは、断じてみんなのためではなく、個人的な私利私欲のためです。
もちろん、大義のための「うそ」というのはありますが、それは透明性の中で行われます。
関係者の多くが真実を知りながらの合意の「うそ」です。 あるいはいつか開示される「うそ」です。
今回、日本の政府はまた嘘をつきました。
大義はあるのでしょうか。
食品メーカーや東電と同じ「嘘」としか私には思えません。
そして、その言い訳が、「家族のためを思って」です。
目の前に家族がいるのに、よくもまあ、と思います。
何を勘違いしているのでしょうか。
たかが総理大臣であり、外務官僚でしかないのに。


嘘をつくことの意味は、メッセージ2で書きました。
しかし、日本はますます「嘘の上に構築された社会」に向けて進んでいるような気がします。
哀しいことです。
額に汗してる人たちは、どうしたらいいのでしょうか。
楽観主義者の私も、最近は気が晴れません。

皆さんはどう思われますか。
私がまちがっているのかもしれません。
そうであればいいのですが。
ぜひCWSフォーラムに投稿して下さい。