■ メッセージ2:嘘の上に成り立つ社会のありように疑問を持ちましょう(2002/2/7)

今回の田中外相の更迭事件は「嘘をつくことをとがめてはいけない文化」の範を首相が示してくれた「歴史的な事件」でした。

子どもたちには大きな影響を与えるのではないかと思います。 リーダーとしての責任のとりかたについても、たくさんの影響を与えていくことでしょう。子どもたちは学校の先生から何かを学ぶのではなく、大人たちの生き方から多くのことを学ぶのです。影響力の大きいモデルの一人が、総理大臣です。そして、彼を支えているのは私たちです。私たちの生き方です。

重要な問題であるにも関わらず、誰が嘘をいっているかも明確にしようとしない人でもリーダーがつとまるわが国の政治は、いったい何なのだろうかと、いささか哀しく思います。まあ、今に始まったことではないのでしょうが、ここまで明確にみんなに見えているにも関わらず、よくやるなあ、と感心してしまいます。いずれにしろ、事実に基づかなくとも政治ができてしまうのです。

嘘をついても嘘をつかれても、どちらも罰せられるのであれば、嘘をついたほうが賢いともいえます。実際、今回の結果はそうなったような気もします。もしそうであれば、嘘の勧めというお裁きだったわけです。

小泉さんは日本の未来を2回変えたと私は思っています。前回は、私は国会デモに参加して、自己満足的な抗議を行いましたが、今回はもっと本質的な問題を含んでいますので、デモ程度では対応できそうにありません。そこで、一度、政治ってなんだろうか、という集まりをやりたいと思っています。関心のある方はご連絡下さい。

それはともかく、今回の事件を皆さんはどうお考えでしょうか。

言った言わないよりも予算を早く決めるほうが大切だ、という人もいますが、嘘を奨励する人が作る予算など何の役に立つのでしょうか。NGOの正しい評価や構造改革も大切ですが、それ以上に嘘を正さないことのほうが問題ではないかと私は思います。子どもたちでもわかるような、基本的な問題こそが大切なのです。言葉に惑わされて、感覚を麻痺させてはいけません。

私たちの生き方の根幹が問われているのです。

あなたは、嘘をつくことに呵責を感じない人たちがつくる予算を信じますか。

雪印食品の事件にも現れていますが、私たちは「嘘をつくこと」にあまりにも寛容になってしまっているのかもしれません。政治も経済も嘘(虚像)の上に成り立っている。これが現在の姿です。

このことのおかしさを、少し考えてみることが必要なような気がします。