メッセージ15:なぜ日本では対イラク戦争反対のデモが広がらないのでしょうか〔2003年3月1日〕

私は名前だけですが、日本平和学会のメンバーです。
入会させていただくときに(もう20年くらい前になりますが)、この組織は運動体ではなく学会ですと念を押されて参加を認めてもらいました。
その平和学会で、ついに対イラク戦争反対の声明を出すと言う事になりました。
時代はそこまで来ているのです。

日本平和学会の現在の会長は北沢洋子さんです。
北沢さんからのメールによれば、「2月15〜16日には、世界同時に1,200万人がデモをして、反戦の意思を表現いたしました。一方、日本政府は、米国の武力行使に賛成する数少ない国の一国であることを選択しました」。
多くの国民は、こうしたことに違和感を持っているのではないかと思います。
にもかかわらず、なぜ日本ではデモが広がらないのか。
私自身の事で言えば、やはり社会性と想像性の弱さなのでしょうね。
反省しなければいけません。それに加えて、「仕組み」の不在です。

一昨年の10月、テロ対策特別措置法制定と自衛隊法改正等に反対するデモに、夫婦で参加しました。
市民の集まりかと思って行ったら、ほとんどが労組でした。
誘った友人は、その雰囲気に馴染めずに帰ってしまったそうです。
私も少し違和感がありました。しかも夜で、何か楽しくありませんでした。
さらに、そのデモ行動の報道は全くありませんでした。
それに、デモ集会のお誘い情報もあまり流れてきません。
日本のマスコミはデモに対してコンプレックスを持っているのかもしれません。
一緒に行った女房は、日本でも反戦に向けてのデモが行われていることを実際に参加してみて初めて知ったのです。

市民が気軽に参加できるデモ活動の仕組みが必要なのかもしれません。
そう思ったら自分でつくればいいのですが、このテーマはちょっと私には荷が重いです。
だから人のことはいえないのですが、それにしても日本は市民の示威行動のシステムが不在なのが残念です。

もう一つ、大きな問題が根底にあるようです。
それは公益法人改革でも西表島の署名でも感じたことですが、身近な問題には関心があっても、ちょっとその先にある問題へのつながりを意識できない生き方、あるいは意識しなくてもいい生き方に、私たちはあまりにはまり込んでいるような気がします。
これは想像力の問題です。
メッセージ11でも書きましたが、この世の中に自分と関係のない事などないのです。

気がついたら戦争に入っていた、数十年前の不幸を再現したくないものです。
反戦デモの情報があれば、教えて下さい。できれば参加したいと思います。

みなさんもご一緒しませんか