■「日本の医療を問いなおす」(ちくま新書)
日本の医療制度の実態や問題をしっかりと理解できる本です。全体を説明してもらえると、マスコミなどの情報がいかに断片的で偏っているかがよくわかります。患者の視点からすると、やや違和感のあるところもありますが、日本の医療の全体像を把握するためにはとてもいい本だと思います。
著者は川崎市立病院総合診療科の鈴木厚さんです。「おわりに」から鈴木さんのメッセージを紹介します。
「日本の医療が変わろうとしている現在、医療現場の声が国民の耳に届かないのは残念なことです。医療を守るべき医療人の声が国民に届かないのは、医療現場で働く者達が近視眼的視野にとどまり、目の前の医療の激流に流されているためです。医療を考える余裕がないのです。さらに正論を主張しても、マスコミや行政が医療包囲網を築き上げ、そのために国民の耳に届かないのです。
そこで、医療の主人公である日本国民に直接話しかけ、国民レベルでの医療の改善を期待するのが最良の道と判断しました。」
非医療関係者も聴く耳を大きくしなければならないと大いに反省しました。皆さんもぜひこの本をお読み下さい。そして、もし何か動き出したくなったら、医療制度研究会のホームページをご覧下さい。
このホームページの4月6日のアクションの記事もお読み下さい。