矢野かをりさんの気ままなジュネーブ便り

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矢野かをりさんからのジュネーブ便りをスタートします。かをりさんは、パートナーのお仕事の関係で、昨年からジュネーブで生活されています。2度目のジュネーブ生活です。気が向いたら、便りを送ってくださるということですので、気が向かない場合は、いつになっても送られてこないかもしれません。かをりさんとは、東レ時代に仕事を一緒にしました。いろいろとお世話になりました。

 

■2004年3月6日

こちらでは、まだ寒い毎日が続いていますが、段々日も延びてきて、
木々の枝から、薄緑色の新芽が少しだけ出始めて、
春が近づいてきている感じです。

ジュネーブでは、毎年3月にモーターショーが開催され、にぎわいます。
赴任最初の年(1998年)に見に行きましたが、
まさに日本のモーターショーと同じで車が沢山展示されているのですが、
キャンペーンガールが笑顔をふりまいていることはなく、
普通のおじさんが1対1でお客さんに説明をしているという感じでした。

ジュネーブでは、このモーターショーが春を告げる催しとなっていて、
モーターショーが終わると、夏時間になり時計を1時間進めるのですが、
一気に日が長くなり(今まで午後6時に暗くなっていたのが
午後7時になるわけですから)、日差しも、心なしかやわらかくなり、
色とりどりの花が咲き始め、いよいよ春到来となります。

さて、伊藤さんからのご質問ですが・・・
「ヨーロッパの」医療制度ということですが、
「ジュネーブの」「小児科」ということでお許しください。
私たち夫婦は身体だけは丈夫なので、
お医者さんにかかったことがないものですから・・・。(歯科を除く)

・ホームドクター(近所の開業医)に診てもらったあと、
 必要があれば専門医を紹介してもらうことになります。
・専門医に診てもらった場合は、そのレポートが
 ホームドクターに送られるので、ホームドクターは患者の情報を
 すべて把握してくれて心強い。
・救急で受診する以外は予約制で、予約時間は、だいたい守られます。
 待合室が人であふれているということはありません。
・ゆっくり診てもらえますが、その時間分の請求がきます。
・当日、支払うことはなく、後日、自宅に請求書が届きます。
 日本のように、診察が終わった後も、会計で並ぶ必要はなく、
 すぐに帰れます。
・日本のような国民健康保険制度がないので、各自、保険に入っています。
 その保険の種類によってカバーするものが違ってきます。
 知人の話によると、州立病院で手術を受けたりする場合は、
 入っている保険によって担当医や病室など対応が違うようです。
・待合室へ、先生が直接、患者を呼びに来て、にこやかに挨拶を
 するので、ちょっと気持ちがなごみます。
・薬は、先生に処方箋を書いてもらい、薬局で購入します。
 たまに、先生の字がきたなくて、薬局の人も読めなくて、
 (日本人には、現地の人の書く横文字は、ほとんど読めません)
 先生に電話をして聞くということもありました。ちょっと笑えます。

ざあっと、思いついたことを書いてみました。
こんな感じで、ご質問の趣旨にあいますでしょうか?
また何か気が付いたら、メールします。

それでは、季節の変わり目、お風邪など召しませんよう、
くれぐれもご自愛ください。

■2004年1月1日

ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
ジュネーブに再び参りましてから、あっという間に1年が過ぎようとしています。
おかげさまで、家族3人、元気に過ごしております。

今年のヨーロッパの夏は記録的な暑さで、大変な思いをしましたが、
寒い冬を迎えると、勝手なもので、あの暑さがなつかしく感じられます。
もともとは、暑がりだったのに、寒がりにもなってしまい、
体を鍛えなければいけないなと痛感しています。

私は、相変わらず、育児にかかりっきりの生活で、
ますます自己主張の激しくなってきた佑依と毎日格闘しています。
佑依が9月から幼稚園に通い始めましたが、週3回でたったの2時間半。
送迎の時間があるので、たいして自由時間はできないのですが、
短時間でも自分の時間が持てるのは嬉しいことです。
幼稚園の先生とのコミュニケーションで、いつももどかしい思いを
しているので、フランス語を真面目に勉強しなければと思っています。

主人は、新しい職場(世界貿易機関<WTO>)で、
ポーランド人の部長以下、いろいろな国の人に囲まれて、
いろいろな刺激を受けながら、仕事をしています。
以前に比べて、家族と一緒に過ごす時間が増えて、喜んでいます。

佑依は、幼稚園には、すっかり慣れて嫌がらずに通っています。
「今日は楽しかった?」と聞くと、いまだに、
首を横に振ってはいますが・・・。
どうやら、おやつの時間を楽しみにしているらしく、
先生から「グルメ」(食通)ではなく「グルマン」(食いしん坊)
と言われています。幼稚園で、しょっちゅう注意されているからか、
最初に覚えたフランス語は「Non!」(だめ!、いや!)でした。

来年も家族皆が楽しく元気に過ごせたらと思っております。

皆様にとりましても、2004年が、すばらしい年になりますよう
お祈り申し上げます。