エネルギー関係のコーナー

■ 市民共同発電の中川修治さん(2003年11月2日)
市民共同発電。
ずっと気になっていたコンセプトです。

以前に日本能率協会の環境経営の提言をまとめたことがありますが、
その過程で出会ったのが、アーヘンモデルです。
ドイツのアーヘン市が1995年に開始した、
「市民全体で個人住宅の太陽光発電費用を応援して行く制度」です。
個人発想のエネルギー問題解決のひとつとして、気になっていました。
提言には盛り込めませんでしたが。

最近、あるメーリングリストで、市民共同発電に関するメッセージに出会いました。
その書き手が九州にいる中川修治さんという方でした。
とても魅力的な、ワクワクするようなメッセージでした。
いつかお会いしたいと思っていました。

それに前後して、町田市でさまざまな活動に取り組んでいるおかざきさゆり
さんが、
コムケア活動プログラムに応募したいといって、市民共同発電を組み込んだプロジェクトの相談にやってきました。
実に面白いプロジェクトでした。
残念ながら、最終選考会では参加者には理解してもらえませんでしたが、
まさにコムケア活動の理念を凝縮したプロジェクトです。
おかざきさんが中川さんにお願いして、フォーラムを開催する事になったのですが、
そのおかげで、私も中川さんにお会いすることができました。
中川さんは、会社で仕事をしながらの活動です。
感激しました。
組織にいて、市民活動をする。
それこそが本来の姿だと、最近思い出しています。
私はいち早く、組織から離脱してしまいましたが、その罪悪感が今でもどこかに残っています。

市民の、市民による、市民のための、共同発電所設置プロジェクトについては、
中川さんたちの太陽光・風力発電トラストのホームページをぜひお読みください。
目からうろこがとれますよ。
ビジョンもあれば、リアリティもあります。
中川さんは、町田のプロジェクトにもとても共感してくれています。
これからの岡崎さんたちのプロジェクトが楽しみです。
私もどこかで荷担していきたいと思っています。

■ 環境・福祉・平和に取り組む人たちの交流会(2003年11月2日)
中川さんにお会いしたのは、岡崎さんが主催した、町田の集まりです。
町田の社会福祉法人コメットが運営しているトマトハウスで開催されました。
この空間はすばらしくいいです。
入り口にさまざまな市民活動のチラシが置いてあります。
こうした場であれば、人のつながりはどんどん深まります。

「エネルギーを考える」という集まりだったので、
中川さんの話があるのかなと思っていましたが、
参加者同士の話が盛んで、全体の話が実現しませんでした。
しかし、そのおかげで、さまざまな人と出会いました。

コムケア仲間の野田さん(GOWA)も参加されました。
そこで市民福祉サポートセンターの小竹雅子さんを紹介してもらいました。
「市民による、市民のための、市民の福祉を市民発で創っていきたい」というのが、小竹さんたちの思いです。
アースキッズの小澤祥司さんにも出会いました。
「メダカがいなくなった」と話題になったことがありますが、その火付け役です。
まさかこんなところでお会いできるとは思っていませんでした。
小澤さんは、「環境も福祉も平和も、すべて同じだ」と言いました。全く同感です。

それにしても、奇妙な集まりです。
紹介もなく、それぞれが勝手に料理を食べながら話しています。
それもトマトハウスという空間のおかげでしょうね。
こんな空間がほしいです。

■ ソフトエネルギーパス(2003年11月2日)
町田の集まりで、
自然エネルギー事業共同組合レクスタの角田和仁さんと
NPOソフトエネルギープロジェクトの坂本勇夫さんとも出会いました。

私も東レ時代に、エネルギー問題にはかなりの関心がありました。
エイモリー・ロビンスの「ソフトエネルギーパス」という本に出会った時は感激しました。
エネルギーは産業の話ではなく、生活の話なのだと気がついたからです。
農業もそうですが、エネルギーも、いわゆる産業とは別の論理で考える必要があると感じました。
しかし、そこから先は手が出ませんでした。
一応、会社ではそれなりの事業提案はしましたが、提案で終わってしまいました。
そのソフトエネルギーの分野で活動されているお二人にお会いできたのはうれしかったです。
私が頭だけでアレコレしている間に、みんなきちんと行動しているのです。
自宅建設時に太陽発電を取り入れなかったのは不覚でした。

食とエネルギーの自立ができれば、人の生活は安定しますね。
そして、エネルギーはあまねく天から授かっているのです。個人が、です。

翌日の夜、ネットでソフトエネルギーをいろいろと調べてみました。
実にさまざまな実践が進められています。驚きました。
エネルギー問題にも、また好奇心が動きだしました。
電力会社も、そろそろ役割を終えつつありますね。
小澤さんの新著「コミュニティエネルギーの時代へ」(岩波書店)は、面白そうです。