■東北学6
東北芸術工科大学東北文化研究センター 作品社 2000円

東北文化友の会の事務局の東海林香さんが「東北学」の最新号を送ってきてくれました。今回の特集は「南の精神史」です。沖縄が取り上げられています。私にとっては今までで一番面白い号でした。そういえば、CWSフォーラムに黒岩さんが「日本人のこころ」の紹介をしてくださっていますが(次回このコーナーで紹介させてもらいます)、ここでも沖縄が取り上げられています。沖縄はこのホームページでもいつか取り上げたいと思っています。

冒頭に「新しい歴史とは何か」という、読み応えのある座談会があります。これだけでも読む価値があります。9月11日以後と書かれた、その座談会は、示唆に富んでいます。上野千鶴子さんが本質的な問題提起をしています。私は9月11日の事件そのものよりも、9月11日の事件に対する世界の反応、とりわけマスコミや「有識者」の反応に不安を感じます。それについてはメッセージなどでも遠まわしに触れているつもりですが。しかし、ここはブックのコーナーですね。この本の紹介ですね。反省。

東北学というのをご存知でしょうか。いわゆる地域学(これについてはまたいつか紹介します)の一つともいえますが、もっと大きな意味を持つ新しい知の視点を発信している活動です。中心になっているのは、山形市にある東北芸術工科大学の東北文化研究センターの赤坂憲雄さんです。私は面識はありません。

東北文化研究センターの設立の宣言の中に「弥生史観の暗闇の中から、縄文の光が次第に大きく日本の魂を揺さぶり始めている」と書かれていますが、共感できます。同センターはまた、東北文化友の会という組織活動もやっていますが、この本はその機関誌のひとつです。

詳細は東北文化研究センターのホームページをご覧下さい。また、東北学や友の会にご関心のある方は、東海林さんをご紹介します。彼女は芸工大の東京事務所長でもあります。