ローカル・ジャンクション21設立趣意書
http://www28.cds.ne.jp/~localj

■「ローカル・ジャンクション21準備会」設立の経緯

日本各地で地域づくりに関わってきた私たちは、この度「ローカル・ジャンクション21準備会」を立ち上げることとなりました。

グローバル社会を迎えている現代ですが、私たちの身体は、今も昔もローカルな地域とつながって生きています。そして、地域は、人間を含めた多様な自然のつながりと、過去から未来という時間の積み重ねで成り立っている世界です。しかし、経済効率に偏った現代の社会システムによって、このようなつながりは壊れかけ、その代償として私たちの暮らしはさまざまな問題に直面しています。環境破壊、食への不安、政治への不信感、心の荒廃…加えて、経済不況、少子高齢化と閉塞感や不安感は募るばかりです。

東京の消費社会で暮らしてきた私たちは、地方の地域づくりに関わる中で、土に根ざした暮らしの奥行きと広がりを体験し、本物の生活の豊かさを実感しました。そこには、人と自然のつながりがまだ見えるカタチで暮らしの中に息づいており、資源を大切に、最大限に活かしながら、心豊かに暮らす術が隠されています。そうしたものに触れるたびに、社会の構造に関わる大きな課題を解く鍵は、実は土に根ざしたローカルな取り組みにあるのではと、私たちは徐々に確信していったのです。

今、私たちは、もう一回、自分と自分を生かしている地域とのつながりを結びなおすことが求められていると考えています。地域に根ざし、地域との多様なつながりにもとづいて、自分たちの暮らしをつくっていく輪を広げていきたいと考え、理念を共有できる、より多くの人と繋がるため、この準備会を立ち上げました。

■ローカル・ジャンクション21とは・・・

 ローカル・ジャンクション21とは、日本各地のローカル同士が対流する、地域の交差点です。ローカルジャンクション21では、それぞれの地域の心豊かな暮らし方、現在始まっている新たな挑戦など、地域の今の動きや、そこで活躍している人と出会うことで、それぞれが自分のローカルを元気にするための交差点です。

東京という大都市も、実はいくつかのローカル社会から成り立っています。しかし、土を実感しにくいメガシティでは、自分と地域をつなげることが難しいのが現状です。土に根ざす元気なローカルの取り組みを体感することで、私たちも土に根ざした暮らしをつくっていきたいと考えています。

都市も地方も、抱えている問題の根底は共通しています。都市と地方という二元論で考えるのではなく、お互いの違いを認め合いながら、同じローカル社会として知恵や力を出し合って、お互いにポジティブに支え合い、ローカルを越えた大きな、新しい価値観を創出していくことこそが、持続可能な社会に導く真の変革への第一歩となるのではないでしょうか。

■ローカル・ジャンクションに向けて〜まずはアクティブ・フォーラムから

同準備会では、ローカルからの情報発信と対流の場としてアクティブ・フォーラムを開催していきます。地域の先進的取り組みや課題を学ぶと同時に、取り組みを進展させるアイディアについて情報交換を行える場を創っていきます。各地の挑戦者たちとの出会いにより、一つひとつの地域との顔の見える関係を結び、個々の連携を広げる機会を広げます。同時に地域の挑戦者たちを訪問する機会も創出し、双方向な活動をめざします。同準備会のホームページをステージに、各地からの

リアルタイムな情報受発信も展開していきます。

■ローカル・ジャンクションは、共に創る場です

私たちは、この会の趣旨に共感し、共に新しい価値の創出に協働できる方々とローカル・ジャンクション21をつくっていきたいと考えています。5月に行われる第一回のアクティブ・フォーラムを機に準備会を設立し、試行や検討を進めながら、来年初めには本格稼動を目指しています。

 子供に自信を持って引き継げる社会のために、私たちは何を担えるのか?本モノの豊かさを実感できる暮らしの創造とは?“ローカル”という切り口によって、企業、行政、団体、生産者、消費者といった枠組を越えて参加できる自己実現の場、あるいは社会参加へのアクセス回路として、「バーチャルからリアリティへ」を合言葉に、多様な出会いとつながりを創っていきます。

 日本に暮らしながら、日本のことをよく知らない私たちです。今、各地でさまざまな取組みが地域を大きく変えていこうとしています。「地域から変わっていくニッポン」、そんなホットな日本の各地の取り組みを、私たち自身の目で見て触れて、自分のローカルとの回路づくりの機会をたくさんつくっていきたいと思います。

■設立賛同者(敬称略 あいうえお順 地名は現在の在住地)

朝田くに子(コーディネイター 特定非営利活動法人 紫波みらい研究所アドバイザー 東京)
熱田みどり(株式会社 農業技術マーケティング代表取締役 東京)
阿部健(岩手県大船渡地方振興局長 岩手)
浦嶋裕子(株式会社 エイ・ティ・エム 東京)
岡田秀二(岩手大学農学部教授 岩手)
甲斐良治(社団法人 農山漁村文化協会現代農業増刊編集主幹 東京)
川崎健次(大阪府豊中市 所属 大阪)
北川泰三(財団法人日本地域開発センター主任研究員 東京)
郷田美紀子(薬膳茶房オーガニックごうだ店主 綾の自然と文化を考える会 宮崎)
河野和義(八木澤商店株式会社 代表取締役社長 岩手)
斎田英次(日本環境財団エコロジーハウス推進機構事務局 東京)
佐川旭(株式会社 佐川旭建築研究所代表 千葉)
佐藤修(コンセプトワークショップ代表、コミュニティケア活動支援センター事務局長 千葉)
塩川恭子(食の学校 代表 東京)
澁澤寿一(特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク専務理事 東京)
寿子マークス(秀明大学教授 東京&英国)
中島恵理(環境省地球環境局 所属 東京&山梨)
野崎洋光(分けとく山総料理長 東京)
山田博康(菅江真澄研究会理事 秋田)
山田元紀(特定非営利活動法人 人間環境ネット21 茨城)
吉田葉子(放牧舎代表 神奈川)
吉野奈保子(日本山村会議事務局 東京)

お問い合わせ先:ローカル・ジャンクション21準備会事務局 浦嶋、朝田
住所:株式会社エィ・ティー・エム内東京都大田区上池台4-21-14-211
TEL/FAX:03-3727-2780/03-3727-2853/E-mail:akuniko@t3.rim.or.jp

 

■ローカル・ジャンクション21の第2回アクティブ・フォーラム

ローカル・ジャンクション21のアクティブサロンの第2回目は、ちょっと「凝った」企画です。
ローカルとしての東京の再発見です。
事務局からの案内を転載します。

日時:8月30日(土曜日) 午後3時半から
場所:新・浪漫亭(新宿区市ヶ谷柳橋)にて
    新宿区市ヶ谷柳町1番地
    (最寄駅は大江戸線牛込柳町で、東口を出て徒歩2分)

ペリーが来航したとき、東京湾の沖から眺めた江戸の町があまりに美しく、
「その美しさは瑞々しい魅力的な新緑の衣をきたイギリスの庭園のような風景さえ凌駕するものである」
と筆舌を尽くして賞賛したと記録にあるそうです。
一度はそのような江戸を目にしたいものだと誰もが思うところでしたが、
このたび、都市図画家である立川博章さんの手により、
膨大な資料をもとにした幕末の江戸の町の俯瞰図が完成しようとしています。
連載中の東京新聞でご覧になった方もあるかもしれませんが、
オリジナルの絵は大変大きいもので、
その迫力に江戸の町が今もそこで息づいているような錯覚さえ覚えます。

今回は、立川さんと「江戸宇宙」を企画された東京新聞記者の桐山桂一さんを囲んで、
俯瞰した江戸の町から見えてきたものについてお話しいただきます。
タイムスリップして江戸の町に迷い込んだような、ちょっと不思議な晩夏のひとときをみなさまとご一緒に過ごしたいと思います。
(東京新聞掲載の特集「江戸宇宙」の詳細についてはhttp://www.tokyo-np.co.jp/edo/をご参照ください)。

プログラム
セミナー:午後3時半〜 新・浪漫亭2階会議室にて
懇親会 :午後5時半〜 新・浪漫亭1階奥の別室にて
参加費 5000円(セミナーのみの場合は2000円)
参加人数 会場の関係で30名様となります。

申込先
浦嶋裕子 hiroko523@e08.itscom.net


詳しくはローカル・ジャンクション21のホームページをご覧下さい。

■ローカル・ジャンクション21の集まり

ローカル・ジャンクション21では、「日本の歩き方」と題した連続講座を来春より始めますが、
それに先立ち、結城登美雄氏による講演会を開催いたします。
テーマは「その土地を生きた当事者に学ぶわが地元学 村の遊び日 食の文化祭」です。

結城氏は、東北を中心に600以上の集落を訪ね歩いた経験をもとに、
農的な暮らしの豊かさを提唱しておられます。
結城氏による宮城県加美町(旧・宮崎町)の食の文化祭の取り組みは、
地域の食文化の豊かさを見事に引き出し、
人と地域、自然、共同体、すべてのあり方を再構築するきっかけづくりとして
全国的な広まりを見せています。
今回は、収穫の秋にふさわしく
「食の文化祭」から見えてくる「皆で楽しむ」大切さについてお話いただきます。

秋の夜長、「偕楽」のひとときをご一緒しませんか?
地方からの“おいしいもの”も準備中です。
ぜひご参加下さい。

日 時:2003年11月7日(金) 午後6時半〜(開場6時)
場 所:新・浪漫亭 新宿区市谷柳町1番地 電話:03‐3266‐0877
(最寄の駅は、大江戸線牛込柳町東口。徒歩2分です)
URL:http://www.hitonet.com
会 費:6000円(夕食代を含みます。25歳までの方は3500円です。)

参加人数:会場の関係で30名様限定となります。先着順でお受けいたします。